日蓮がたましひをすみにそめながしてかきて候ぞ信じさせ給へ

●生命への深い洞察と共感、それに基づくあらゆる生命への慈しみ。また、人間の苦悩への大悲と同苦。そして、苦悩する人々を救うための智慧と意志に貫かれた行動。このような仏の人格と行動の核心にあるのが、宇宙根源の法であり、その法と一体の如来の生命です。それを大聖人は「南無妙法蓮華経」と悟られ、「日蓮がたましひ(魂)」であるとされたのです。 (『御書の世界 第二巻』 池田大作 以下同)
●*森中─「日蓮がたましひ(魂)」とは、この連載の第八回(『御書の世界』第一巻所収)で教えていただいたように、「師子王の心」にも通じますね。それは「生命本源の希望」であり、「生き抜く力」です。万人の幸福を開くために、不幸をもたらす一切の悪と敢然と戦う「勇気」でもあります。
*斉藤─師匠が命懸けで示された「師子王の心」が、弟子の自分にもある。このように信じることが、その「勇気」を開くカギですね。
*名誉会長─そうです。師弟不二の道を生き抜くところに、自身の幸福があり、皆の幸福がある。
その真実を、法華経は「如我等無異(我が如く等しくして異なること無からしめん)」と説いている。
“私も人間だ、あなたたちも人間だ、人間はかくも偉大なり!”という「人間王者の讃歌」です。それが法華経の魂といえる。
●この素晴らしい御本尊と同じ境涯が、わが生命にもあるのだと確信して、日々の生活のなかで、たゆまず自身の生命を鍛え磨くから、福徳が燦然(さんぜん)と輝くのです。

9月11日更新:3