決意も実証も独り占めにしないで、全部、皆と分かち合い支え合う

【名字の言】
「まだ下手な間は、人に知られないようにしよう。ひそかに習得してから人前に出れば、とても立派に見えるだろう」。こんなことを言う人は、一芸も物にできない──。『徒然草』で吉田兼好が断じている(第150段、趣意)
“芸が未熟なうちから、上手な人の中に交じって、けなされたり、笑われたりしても意に介さず、打ち込む人は、ついに名人の域に達し、長所も伸び、名声を得る”と兼好は続ける。諸道に通じる「成功の秘訣」であろう。人はやはり、人の中に飛び込んでこそ磨かれる。
滋賀のある青年が仕事中、左腕を肩から切断する大事故に遭った。手術で腕はつながるが、思うように動かない。リハビリ中に仏法に出あった。医師も驚くほどの回復を遂げ、現在、子ども服販売店の店長として奮闘する
彼は自身の転機を、学会の会合での“決意発表”だったと振り返る。同志の前で「絶対に治します!」と言い切った。その勇気から“復活のドラマ”が始まった、と
決意しても、すぐ心が折れてしまう人もいよう。ならば、何度でも決意を発表し、何度でも挑戦すればいい。決意も実証も、独り占めにしないで、全部、皆と分かち合い、支え合う。そこに「成長」と「向上」への近道がある。 (聖教新聞 2011-10-09)

10月9日更新:1