ネット利用時の情報管理に注意

2011年11月30日(水)更新:6
【社説】
インターネットではボタン一つで、金銭の授受や商品の売買ができる。総務省の調査によると、ネットショッピングでの年間購入額は平成14年から19年の5年間で約3倍に増加している。一方で、ネットを悪用して個人情報や金銭を狙う詐欺も増えている。今一度、生活の中でのネット利用について注意を払いたい。
先日、友人から、書きかけの途中と思われるメールが何度も届いた。どうしたのかと思って電話すると、携帯電話をスマートフォンに替えたばかりだというので得心(とくしん)がいった。画面に指で触れて操作するスマートフォンが爆発的に普及している。使い慣れるまでは意図しないところに触れてしまい、作業をやり直したり、誤送信してしまうことがある。

〈8割は使用者自身のミス〉
個人情報漏えいの8割は「管理ミス」「誤操作」「紛失・置き忘れ」によって起きるとの調査結果がある。
メールの誤送信、USBメモリーや情報端末の盗難・紛失などは、心掛け一つで防げる事故。単純な操作ミスや不注意で事故を起こさないようにしよう。
ネットの利用で最も大切なのがIDやパスワード、クレジットカード番号や自宅の住所、電話番号などの管理だ。これらは常に漏えいの危険にさらされていると肝に銘じよう。
パスワードは定期的に変更したい。盗み見られやすい単純な英数字の並びを避け、誕生日や名前から類推されないものにしよう。また、異なるサイトで同じIDやパスワードを設定するのも好ましくない。面倒でもそれぞれ専用のパスワードを作成しよう。

〈詐欺に警戒し冷静な対応を〉
急増しているフィッシング詐欺に気を付けたい。個人情報や口座情報を扱う正規の企業になりすまして、メールを通じて不正サイトに誘導し、機密情報を要求してくる。重要な個人情報を要求するメールには絶対に返信しないことだ。
ワンクリック詐欺にも警戒が必要だ。サイト閲覧中に、IPアドレスやメールアドレスなど、こちらの身元を特定したかのような表示で脅すもの。慌てず冷静に対処し、契約の覚えのないものは無視して構わない。
師走前の慌ただしさを狙った振り込め詐欺なども多発する時節。「必ず心の固きに仮(よ)って神の守り即ち強し」(御書1186ページ)である。油断を排し、日常生活や学会活動の中で、絶対無事故を祈念していきたい。 (聖教新聞 2011-11-30)