TOWARD 2030 未来部勝利月間がスタート

2011年12月1日(木)更新:3
【名誉会長 希望の語らい アルゼンチンの子どもたちと】
池田名誉会長は常々、「青年のために、正義と真実を語り残したいのだ」と述べている。子どもを一個の人格として大誠実で接する時、幾重にもドラマは生まれる。
1996年、南米アルゼンチンのアルフレド・エル・パラシオス小学校は、名誉会長の創作童話『さくらの木』『雪ぐにの王子さま』『お月さまと王女』を教材に用い、週1回のペースで授業を行った(2年・3年の生徒約140人が対象)。朗読や意見交換をはじめ、教員や父母による感想発表などが行われ、反響は大きく広がった。そして小学生たちは、勉強を続ける中で、わき上がった質問を、“どうしても聞きたい”と、名誉会長に宛てて手紙に書いた。
名誉会長は、海を越えて届けられたこの質問に丁寧に答え、子どもたちの成長に心から期待を寄せた。
ここでは、97年の小学生文化新聞に掲載された内容の一部を紹介する。

[一番大切なものは何ですか?]
《「友情」です。友情は宝です。友情が広がった分だけ自分の人生が広くなります。》
「友情」です。これは、私の人生の結論です。
人生の一人の先輩として言っておきます。友情を大切にしてください。友情は宝です。友情は幸福です。友情は人生を飾る“花の冠”です。友情が広がった分だけ、友情が深まった分だけ、自分の人生が広くなり、深くなります。友情は喜びを二倍にし、悲しみを半分にしてくれます。
「友情を大切に」──私は心から、こう申し上げておきます。

[どうして作家になったのですか?]
《「書きたい」との夢を忘れなかった。みなさんも、自分の夢を粘り強く育て、花開かせてください!》
私は、少年時代は新聞記者になりたかったのです。「真実」を書くこと、「正義」を明らかにすることは、とても大切なことだと思っていました。だから「何かを書きたい」という思いは、そのころからありました。
学校に行きたくても、行けなかった時代もあった。でも自分の夢は忘れませんでした。世界的な文学もたくさ読みました。黙々と勉強しました。そして、世界の平和のため、民衆の幸福のために言わなければならない、叫ばなければならないことがたくさんある。そういう自分になりました。
みなさんは植物を育てたことがありますか?大地にまいた種から長い時間をかけて芽が出るように、自分の夢が花開いてきたのです。みなさんも夢がかなえられることを心から私は願っています。

[偉大な作家になるために、どんな勉強を?]
《特別な勉強はありません。ただ、いつも「あと一歩進もう!」「あと5分頑張ろう!」と努力してきました。》
特別な勉強があったわけではありません。当たり前のことを、だれよりも努力する。あと一歩進もう、あと5分頑張ろう、あと一枚原稿に挑戦しよう、そうやって、努力してきたのです。
私にとって「書く」ことは「生きる」ことと一体です。一生懸命生きないで、いい文章は書けません。
だから、私も偉大なる理想のために一生懸命に生き抜きました。いっぱい考え、苦労し、悩みました。たくさん書きました。それが夢や希望や願いの入った自分の「心という宇宙」を大きく広げてくれました。
この「心という宇宙」から、だれかに伝えたい、なにか書きたいという思いが、こぼれそうなくらいにあふれてくるのです。

[世界平和のために何歳で戦い始めましたか?]
《19歳で師匠・戸田先生に出会い、その日から世界平和への戦いが始まりました。》
私は19歳の時に、師匠である戸田城聖先生と出会いました。その時、先生から、人類に貢献する偉大な生き方を教えられ、心の底から感動したのです。「よし、この人についていこう」「青年らしく戦おう」と。
その日から、私の世界平和のための戦いが始まったのです。
海も、前へ進もうと思えば、波が起きます。それと同じく、「正しいことをしよう」とすれば、いろんな波風が立ちます。批判も迫害もあります。
そういう迫害の連続であったかもしれません。でも、だからといって、平和の戦いをやめるわけにはいかない。
みなさんが世界の舞台で活躍する21世紀を、もっと平和な時代にするために、その「道」を開いておくために、まだまだ私は頑張っていきます。

[ケンカをしたことがありますか?]
《よく覚えていませんが、あったはずです。ケンカをしても、自分から声をかければもっと仲良くなれるんです。》
あったはずです。でも、子どもの時のケンカは何十年もむかしのことだから、よく覚えていないなあ。
ただ、ケンカしても、決して友だちをうらんだり、「もう、つき合うのはやめよう」なんて思わないことです。気分を変えて、カラッといくんです。
本当は、ケンカは仲が良いからするんです。何もおつき合いのない人だったらケンカするはずはないんだから。
自分が悪い場合もある。相手が悪い場合もあるかもしれない。でも、そこで自分を見つめ直して、勇気を出して、「自分から」声をかけるんです。あやまる時は、ちゃんとあやまってね。そうすれば、ケンカはもっと「仲良くなる」チャンスになるんです。

[毎日どんなことをしていますか?]
《「人を励ますこと」です。文章を書くのも「だれかが元気になってくれれば」という思いからです。》
一言でいえば「人を励ますこと」「人を勇気づけること」です。
直接、会える人も、会えない人もいます。近くの人も、遠くの人もいます。でも、一年三百六十五日、朝から晩まで、「この人に元気になってほしい」「あの人に幸福になってほしい」と祈り、励ましています。そんな生活が何十年も続いています。私が文章を書くのも「世界のどこかで、だれかがこれを読んで、元気になってくれれば」という思いからなんです。
「平和」といっても、一人一人の「幸福」が根本です。ですから、その一人一人を励ますことが、平和の第一歩になります。大変といえば大変ですが、そんな時は「太陽」を思います。
毎日、必ず太陽は昇ります。雨が降っても、曇っていても、空の上には必ず太陽がある。この「太陽の辛抱強さ」を思いながら、私も一日一日、頑張っているのです。 (聖教新聞 2011-12-01)