それは組織利用です。学会は世間の派閥の様なものがあってはいけない

2012年1月21日(土)更新:1
【新・人間革命 共戦 五十七】
 山本伸一は、中国方面の男子部幹部には、こう語った。
 「どこまでも師匠に、また、学会本部に呼吸を合わせ、その指導通りに進んでいくことが大事です。学会の正道を歩み、自分を鍛え抜いて、大きく成長していくんです。
 それを、自分勝手に、やりやすいように、組織を動かしていこうとすれば、自分も組織も、広宣流布の軌道から離れ、必ず空転してしまうことになる。
 我見で組織を動かそうとすると、まず、人事が公正さを欠くようになる。そして、なにかと自分に便宜を図ってくれるような人ばかり取り立てて、周りに集める。
 その結果、信心で結ばれているはずの学会の組織が、“親分・子分”のような、歪んだ関係になっていく。それは、組織利用です。仏意仏勅の団体である創価学会を内側から蝕む、師子身中の虫に等しい行為です。学会の世界には、世間の派閥のようなものがあっては、絶対になりません。
 ところが、伸び悩んでいる組織や、信心がすっきりしていない感じの組織というのは、つぶさに見ていくと、そういう問題をかかえていることが多いんです。
 したがって、人事を検討する人たちは、皆が強い責任感をもって、徹して厳正に行うことです。人事がいい加減であったり、失敗すれば、学会の破壊につながっていくことを忘れないでください」
 伸一は、未来のために、力の限り語り続けた。青年の一言の発言、一つの振る舞いを契機に、激励、指導が、堰を切ったように、彼の口からあふれた。
 「青年は、苦労して、力をつけていくんだよ。青年の最大の敵は、“学歴がない”とか、“貧しいから”とか言って、自己を卑下する心をもつことだ。広宣流布という最高最大の大志に生きる創価の青年は、常に前向きに、無限の挑戦を続けていくんだ!」
 激励に次ぐ激励を重ね、伸一が車で徳山を出発したのは、午後八時過ぎであった。 (聖教新聞 2012-01-21)