生命ばい。生命の触れ合いがあっての、指導であり、折伏たい

2012年3月18日(日)更新:2
【名字の言】
 かつてバイク店を営んでいた壮年が今も“宝”にしている思い出を語っていた。昔、店頭に現れた老紳士から声を掛けられた。「いつもありがとう!」。我が目を疑った。“世界のホンダ”の創業者、故・本田宗一郎氏だったからだ
 聞けば、数百カ所もある全国の販売店や工場を直接、回り、全社員に感謝の握手をしているという。その時、壮年の手は作業で油まみれ。一瞬、躊躇した。だが本田氏は構うことなく手を握り、「この手がいいんだよ」と。“モノ”づくりの達人といわれた氏は、“心”を大切にする人でもあった
 連載中の小説『新・人間革命』の「薫風」の章に、九州の壮年が、対話の姿勢について語る場面がある。「生命ばい。生命の触れ合いがあっての、指導であり、折伏たい」。立場や肩書を度外視して、真っすぐに生命を、心を見つめ、結び合う。それが麗しき創価の世界である
 人の心を動かすのは、やはり心。元気な人に会えば、元気が出る。勇気の人に触れれば、勇気が湧く。感謝の人に接すれば、感謝の心が呼び出される
 大切なのは、我が胸中に広布への情熱が燃えているかどうか。躍動の春。強き祈りと満々たる生命力で、友の心に希望を目覚めさせる、“対話の薫風”を送りゆこう。 (聖教新聞 2012-03-18)