団結があれば互いに補い合い一個の組織体として十全の力を発揮できる

2012年3月26日(月)更新:4
【新・人間革命 薫風 四九】
 温厚で生真面目な性格である県長の中森富夫を中心に、佐賀県創価学会は、和気あいあいと、広宣流布の堅実な前進を続けてきた。
 山本伸一は、佐賀県がさらに大飛躍を遂げていくためには、若い人材を登用し、新しい原動力としていく必要があると考えていた。彼のその意見をもとに、本部人事委員会等で検討され、この一九七七年(昭和五十二年)一月に、県の青年部長である武原成次が、兼任のまま副県長に任命されたのである。
 記念勤行会のスピーチで伸一は、県長の中森と副県長の武原の人柄を紹介した。
 「中森県長は五十歳で、東大出身のいわゆるエリートであり、温厚な知性派です。それに対して、武原副県長は三十五歳で、活力にあふれた行動派であります。いわば、“静”と“動”の絶妙なコンビです。
 完璧な人というのはいません。皆、それぞれ、短所をもっています。しかし、団結があるならば、互いに補い合い、一個の組織体として十全の力を発揮していくことができる。ところが、互いに足を引っ張り合っているならば、補い合うどころか、傷口を広げ合っていくようなものです。
 しかし、佐賀県は団結しています。県としては小さくとも、団結があるということは、最高の財産をもっていることになります。
 今度、新たに、酒田県婦人部長が誕生しましたが、壮年と婦人も、良いコンビを組み、最高の佐賀県を築き上げてください」
 創価学会は、仏意仏勅の組織であり、人類の幸福と平和を実現する「創価学会仏(ぶつ)」ともいうべき存在である。その学会にあって、団結できずに、反目し、非難し合うことは、組織という一つの統合体を引き裂く行為に等しい。それは、「破和合僧」であり、恐るべき仏法上の重罪となるのである。
 伸一は、さらに、何事にも「根本」があり、宇宙の根本、生命の根本は御本尊であることを語った。そして、その御本尊への信心のなかに、崩れざる幸福の大道があることを力説したのである。  (聖教新聞 2012-03-26)