日蓮仏法は、過去の宿業を今生で転換し絶対的幸福を築く直道を明かす

2012年4月17日(火)更新:2
【新・人間革命 人材城七】
 かつて、女性は、幼い時は父母に従い、結婚してからは夫に従い、老いてからは子に従うべきであるとされていた。
 近代の女性たちは、そうした服従の綱(つな)を断ち、自立の道を歩もうとしてきた。「女性の世紀」を展望するうえで大事なことは、その自立の道が、真の幸福の道へ直結していくことであろう。
 本当に一つ一つの物事を自分で考え、判断しているだろうか。周囲の意見や、流行、大勢などに従ってはいないか。それが、何をめざし、どこに向かっていくかを深く考えることもなく、ただ、みんなから遅れないように、外れないようにと、必死になって追いかけて、生きてはいないだろうか。
 本当の幸福は、自分で創り上げていくものだ。誰かから与えられるものではない。自分の外に求めた幸福は、時とともに、いつか崩れ去ってしまう、束の間の幸福である。
 幸福になるには、「幸せとは何か」を明らかにした「哲学」が必要になる。「哲学」というのは、生き方の根本となる考え方である。
 日蓮大聖人は、教えてくださっている。
 「蔵の財よりも身の財すぐれたり身の財より心の財第一なり」(御書一一七三ページ)と。
 お金も必要であろう。健康や技能も大事である。しかし、最も大切なのは、心の財、つまり、強く、豊かな心だ。
 また、“なぜ、自分の人生は、苦悩ばかりが続くのだ。あまりにも不公平だ”と、暗雲を仰ぐ思いで宿命を嘆く人もいよう。
 仏法では、生命の因果の理法によって、その原因を明快に説き示している。
 過去世からの自身の言動や心が、宿業を形成する。そして、現在の自身の生き方が、未来を決していく――と。
 さらに、日蓮仏法では、過去の宿業を今生で転換し、絶対的幸福を築く直道を明かしているのだ。しかも、自身のあらゆる「宿命」は、それを転換して幸福の実証を示し、人びとに希望と勇気を与えるための、尊き「使命」となることを教えているのである。 (聖教新聞 2012-04-17)