“リース対談”が完結 絆で結ばれた民衆が平和を担う

2012年4月21日(土)更新:4
【社説】
 「対談を通して憂うべき問題を論じながらも、私自身の中で未来への楽観主義が蘇るのを感じました」
 月刊誌「第三文明」で好評連載された、池田SGI(創価学会インタナショナル)会長とオーストラリア「シドニー平和財団」のスチュアート・リース理事長の対談「平和の哲学と詩心を語る」が5月号をもって完結。対談の最後を締めくくる冒頭の理事長の言葉に、1年間におよぶSGI会長との語らいの中で、未来に向けてやるべきことを再確認し、決意を新たにした思いが伝わってくる。

〈歩み寄り 信頼深める関係へ〉
 「行動する平和学者」の異名 を持つリース理事長は、シドニー大学の「平和・紛争研究センター」で、所長を長年、務めたほか、和平交渉研究と人道主義的な社会政策を専門とする学者である。
 2人は対話と行動の生き方を貫く平和の闘士であり、未来を担う青年を育てゆく教育の獅子である。そして言葉を“武器”に闘う詩人――幾つもの共通項で結ばれた両者の対談には、「一つの人類」という考えの下、「共生」の精神が根底に脈打っている。
 対談の柱は「正義に基づく平和」。このテーマを中心に、貧困や紛争、核兵器、教育、自然、経済……広範な話題で語らいは展開されていった。
 第2次大戦中の空襲や、父が戦争で重傷を負うなど、幼き日から「平和」に対する思いが深かった理事長。対談では、「真の平和」とは何か、という命題に迫りながら、不戦への誓いを確認し合っている。
 両者が紡ぎ出した結論の一端は、「ともに脅威を取り除くために歩み寄り、互いに“信頼”を深め合う関係を築いていく」ことだ。そして、他者を思いやる絆で結ばれた民衆の連帯を築き、グローバルに広げゆくことこそ、今、求められていることである、と。  

〈誰にも苦難を乗り越える力が〉
 「多くの社会にとって、また多くの人々の人生にとって、変革のきっかけとなることを願う」(理事長)という対談。
 SGI会長は述べている。「人間には誰にも無限の可能性があり、苦難や試練を乗り越える大いなる力が、本来具わっています。そして無名の民衆こそ、よりよき社会を創造しゆく時代変革の担い手にほかなりません」と。
 きょうも友との語らいを弾ませながら、民衆のスクラムを幾重にも築いていきたい。  (聖教新聞 2012-04-21)