これまでの歴史も、記念日も全て現在の力へと変えていく

2012年4月28日(土)更新:4
【新・人間革命 人材城 十七】
 山本伸一は、三角のメンバーが、十一月十六日を「三角の日」と決めて頑張っていることを聞き、学会の記念日の意義について語っていった。
 「学会としても、さまざまな記念日を定めていますが、大事なことは、その淵源に立ち返り、歴史と精神を子々孫々にまで伝え、毎年、新しい決意で出発していくことです。
 ただ、勤行会などを開けばよいという感覚になり、決意の共有も、感動もなければ、それは、既に形骸化、儀式化し、惰性化しているということになります。
 多くの既成仏教の儀式は、そうなっていますが、私たちは、永遠に、その轍を踏んではならない。
 学会の儀式は、広宣流布への決意を確認し合い、新しい出発を誓い合う、信心、精神の触発の場です。
 そのためには、各記念日の淵源を、しっかり学ぶことも大事でしょう。これまでの歴史も、記念日も、すべて現在の力へと変えていってこそ、意味をもつんです。
 その点からも、私が訪問した日を記念してセミナーを開き、地域広布を大きく推進させようとしている三角の皆さんは、すばらしい。そこに本当の記念日の精神があります」
 伸一は、本部長の坂上良江に言った。
 「三角の皆さんの健闘を讃えて、記念に一文をお贈りしましょう。三角一帯は、なんという地域になりますか」
 「宇土(うと)半島です」
 伸一のペンが、用意していた色紙の上を走った。
 「忘れまじ
  秋 十一月十六日
  宇土半島の友どちの
  心と心の絆
  あゝ忘れまじ」
 色紙を受け取った坂上は、涙で目を潤ませた。懇談会の参加者たちは、伸一と三角の同志の、“黄金の絆”を見る思いがした。心は見えない。しかし、心はつながる。 (聖教新聞 2012-04-28)