困難の解決へ誓いを共有 対話と連帯を教育の基盤に

2012年4月30日(月)更新:1
SGI会長の平和提言に寄せて 欧州評議会 オロフ・オラフスドティル局長 】
●池田SGI会長の人間主義、哲学性、平和への真摯な取り組みは、世界中の多くの人々にとって素晴らしい啓発の源です。
 国連による「人権教育のための世界プログラム」や、「人権教育および研修に関する国連宣言」に対しても、極めて多大な支援を行っておられます。
 池田会長が指摘されている通り、世界の人々の生命と尊厳は、今日、受け入れがたいほどの脅威に直面しています。
 ギリシャの経済危機から福島の原発事故にいたるまで、人々の苦悩と困窮の事例は枚挙に暇がありません。このような苦しみは、自然が原因でもたらされるものがある一方で、社会の構築基盤がどんな価値に基づいているかによる結果でもありましょう。
 特に私は、提言の中で池田会長が引用された、「私たちの世界は異様な安全保障の概念と歪んだモラルを生み出してしまった。兵器を財宝のように保護する一方で、子どもたちを戦火の危険にさらしている」とのバートランド・ラッセルの言葉に心が沈むような思いを感じます。
●池田会長が強調しているように、困窮に対応する社会の能力を強化する最大の方法は、支え合う絆を育み、互いに助け合うエートスを醸成することです。
●関連知識や能力、そして最も重要な価値観や正しい物の見方・考え方を培う必要があります。
●残念なことに、教育は往々にして、労働市場、競争、個人の成功を実現するための準備として捉えられがちです。しかし教育は、それ以上のもの、とりわけ社会における参加能力を人々に与えるものです。「競争」に基づいた個人的な成功から、「対話」「連帯」「支え合い」に基づく幸福の共有へと、基本的な考えをシフトさせる必要があります。
 そのような変化は、地球規模で世論がそれを支持し、それを実行しようという政治的意志が生まれて初めて成し得るものでしょう。
●私は、池田会長の洞察と示唆に満ちた平和提言と、世界各地で対話と協力を推し進めている行動に、感謝を申し上げたい。
  (聖教新聞 2012-04-26)