「前前の用心」こそ無事故の要諦

2012年5月10日(木)更新:4
【社説】
 爽やかな日差しに外出する機会も増えてきた。気の緩みから詐欺などに遭わないよう、細心の注意を払いたい。
 「犯罪白書」によると、平成22年の犯罪認知件数は約227万件で、最多は53%の「窃盗」である。また、警察庁発表の今年1〜3月期の犯罪統計(暫定値)によると、窃盗のうち「空き巣・忍び込み」は、3カ月間でおよそ1万3000件発生している。
 対策としては、留守を悟られない、侵入されにくくするといった工夫が必要だ。長期間外出する場合は新聞や郵便物の配達を止めたり、タイマーを使って電灯やラジオをつけるのも一案だ。わずかな時間の外出でも施錠が大切。在宅時でも玄関や、人目に付きにくいベランダ、勝手口は施錠したい。

振り込め詐欺被害が大幅増〉
 「振り込め詐欺」も後を絶たない。警察庁によると、昨年1年間の実質被害総額は約127億円で、前年より約26億円も増えた。
 先日も現金1100万円をだまし取られる事件が発生した。重大な過失や急な出来事であると慌てさせて冷静な判断力を失わせ、狂わせる――内容が重大・深刻であるほど冷静に対処したい。
 こうした詐欺に備え、家族であらかじめ合言葉を決めておくことも大切である。また、「金銭が絡む」「急がせる」「他人に知られたくない」といった内容の電話には即答せず、身近な人や警察などに相談する勇気を持とう。
 ひったくりの発生件数も依然として高い。警視庁によると、午後5時から11時にかけて多発し、ピークは午後8時台。被害者の9割は女性だ。

〈夜道でのメール操作は危険〉
 夜間は、狭い通りや公園を避け、遠回りでも明るく人通りのある道を選び、電話やメール操作をせず、隙をつくらないようにしよう。広い通りでも油断せず、バッグは壁側に持つ習慣を。
 女子部は、午後10時までに帰宅する「10帰(テンキ)運動」を推進している。誰もが掛け替えのない存在。事件や事故に巻き込まれないよう、十分に注意を払おう。
 池田名誉会長は「『法華経の兵法』といっても特別のことではない。それは『前前の用心』(御書1192ページ)を怠らず、油断を排し、たゆまず題目を真剣に唱え抜き、行動していくことが、一切の根本」(「随筆 我らの勝利の大道」〈信心錬磨の教学 下〉)とつづっている。
 絶対無事故こそ、一切勝利の要諦と捉え、大いに友好の輪を広げていこう。 (聖教新聞 2012-05-10)