核兵器肯定の思想と闘う会長の信念は後世の教訓

2012年5月12日(土)更新:1
SGI会長の平和提言に寄せて OPANAL(中南米核兵器禁止機構) ジオコンダ・ウベダ事務局長 人間の安全保障の確立へ明確で視野の広いビジョン】
●私たち人類は、地球から核兵器がなくなることを望んでいます。
●人権、震災リスクの軽減、持続可能な開発、核廃絶の問題は、相互関係にあり、全てが人間に関わるだけに、池田SGI会長が同時にそれらの課題に取り組まれていることに、私は共感します。
●価値観、信念、思想こそが人々の間で最も継承されるべきものであるとの、池田会長の観点を、私も共有します。視点の明快さと意見を力強く訴えられた提言の中で、そう論じられている箇所を喜びをもって読ませていただきました。池田会長は、戦うべき相手は核兵器そのものではなく、核兵器保有を肯定する思想であると述べています。この言葉にこそ、私たちが、子どもたちと後世に残さなければいけない大切なメッセージが込められていると思います。すなわち、差異と争いを乗り越えるためのビジョンと視点の変革です。
●国家間の駆け引き材料としての核兵器使用の放棄、紛争解決の優先、国際法の適応に努めることを池田会長は強調しています。
 核抑止力の原理、あるいは核兵器使用の威嚇に国際関係が基づくということは、道理からも感情面からも理解できないことです。
 では、どの方向の努力が必要になるか。池田会長が言う通り、平和に通ずる方向を目指して努力をしなければなりません。国際関係用語を用いれば“平和的な手段”で国家間の関係と均衡を保つ道のことです。平和のために働くには平和主義者でなければなりませんし、大きな努力が求められます。平和主義者になるためには精神錬磨が不可欠であるからこそ、私はSGIの活躍を賞讃します。
 国家の統治を担う人々は、社会の最大の願いは「平和」と「公益」であると確信をもって進められる、強い精神性と平和主義者の男性や女性でなければならないと思います。それらの目的を達成するためには、強靭な意志と明確な信念の指導者が必要なのです。私たちか後世のためにできることは、OPANALやSGIが行ってきたように、平和の教育を促進することです。知性だけではなく、精神と記憶の教育です。
 NPT(核拡散防止条約)再検討会議の開催地は国連加盟国が決めるものですが、池田会長が、広島と長崎を推薦されるのは理にかなっています。
 第2次世界大戦後、今もなお続いている原爆投下がもたらした後遺症については、その二つの場所の住民にしか語れません。2都市とも、核兵器の甚大な被害の証言者です。核兵器が人類にとって脅威であることを証言できる場所で、再検討会議が開催されることを私も期待します。 (聖教新聞 2012-05-12)