世界を照らす創価教育の大光

2012年6月4日(月)更新:2
【社説】
 「皆さん、『きょう』という日は、単なる始まりではなく、無限の彼方への始まりなのです」――アメリ創価大学(SUA)の第8回卒業式で、卒業生の代表が、共に母校を巣立つ学友へ呼び掛けた。式典ではさらに、自身の大腸がんに打ち勝った友、語学の壁を克服した友、母の死去を乗り越えた友が相次ぎ登壇。輝く前途へ力強く抱負を語った。
 本紙既報(5月29日付)の4人の記事には、在学中の苦学の一端がにじみ出ており、かつ、一人一人の胸奥に、これまで支えてくれた全ての人への“感謝”の思いが脈打っていることが感じられた。

 〈体当たりで人材を育む〉
 教育者でもあった牧口常三郎初代会長は、自著『創価教育学体系』において、「教育は児童に幸福なる生活をなさしめるのを目的とする」と定め、さらに「被教育者それ自身の幸福と共に、社会全般の幸福の為めに、価値創造の能力を養成するのが教育の目的」と明記した。
 軍国主義に抗し、初代会長は獄死したが、その遺志は戸田城聖第2代会長、第3代の池田名誉会長に受け継がれ、今日、創価教育の大光が世界を照らす時代を迎えた。SUA、日本の創価大学、東京と関西の小・中学・高校、札幌創価幼稚園のほか、香港、シンガポール、マレーシア、ブラジル、韓国にも姉妹校が設立され、社会に有為な人材を輩出している。
 名誉会長は教育提言の中で、「自分の生き方を人類の運命にまで連動させゆく『全体人間』ともいうべき俊逸の育成こそ、教育の本義である」と述べ、その信念のままに、生徒や学生らと時に体当たりで接し、時に心の交流を重ねながら、世界の平和と民衆の幸福に尽くす幾多の人材を育んできた。
 名誉会長の教育貢献に対し、世界の大学などから320を超える名誉学術称号が贈られ、各国の教育者や文化人も惜しみない賛辞を送っている。その一人、韓国国立済州大学の元総長、趙文富博士は、渡韓した創価大学の学生に語った。
 「苦悩に沈んでいる人々を救っていく――そこに、創立者の池田先生が主張される根本がある」「『正義に反する心』が充満している世を改め、変えていくこと、そして、人間の感情の衝突を和らげ、解消していくことが、池田先生が追求されている人間愛だ」と。
 教育の聖業に全魂を傾ける師と共に、それぞれの地域で、われらも、次代を担う青少年の育成に取り組んでいきたい。  (聖教新聞 2012-06-04)