目に見えないもの――すなわち人の一念や行動を、仏や諸天は全て知る

2012年6月20日(水)更新:2
【名字の言】
 「ただ頼む 冥の照覧 牙城会」。30年前の6月20日、池田名誉会長が、会館運営にあたる「牙城会」の友に贈った句である
 「冥」とは、「顕」に対する語で「目に見えない」の意。「照覧」は「明らかに見る」。目に見えないもの――すなわち人の一念や行動を、仏や諸天は全て知る、というのが「冥の照覧」(御書466ページ)の意味だ
 名誉会長がこの句を認め、贈った相手は、北海道・大沼の一牙城会員だった。約20年間、黙々と会館に着任し、同志の安全を守り続けてきた。句を受け取った時も、夜を徹して行事の運営や準備にいそしんでいた。まさに、名誉会長は「目に見えない」労苦を探し出すようにして励ましたのだ
 後年、名誉会長は再び、同じ句を色紙に綴り、牙城会の全同志に贈った。たとえ誰が見ていなくても、褒められなくても、ただ、わが使命を貫くのみ――これが牙城会の伝統精神。大沼の彼も句を命に刻み、地元の「会館守る会」を40年、自宅の会場提供を50年続けている。子息も牙城会員となった
 ただ自分の功徳を求めるよりも、広宣流布のため、同志のために無私の献身を貫く。この「誓願」の信心の中に、知らず知らず福運が積まれ、生涯崩れぬ幸福の基盤が築かれていく。 (聖教新聞 2012-06-20)