原子力規制委法が成立 9月までに新体制発足

2012年6月23日(土)更新:5
・斧節『「原子力憲法」こっそり変更』
http://d.hatena.ne.jp/sokaodo/20120623/


・香風『原子力基本法に「安全保障」 軍事転用防止、厳格に―山口代表』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20140122/


原子力規制委法が成立 5委員の人選焦点 9月までに新体制発足】
原子力安全行政を一元的に担う新組織となる原子力規制委員会設置法が20日参院本会議で民主、自民、公明などの賛成多数で可決、成立した。専門家5人で構成される規制委は、事務局となる原子力規制庁を含め9月までに発足する予定。委員の人事は国会同意が必要で、今後は政府の人選が焦点となる。
 規制委は、原子力利用の推進と規制の両機能を経済産業省が所管する現状を改め、同省から原子力安全・保安院を分離するなどして創設。国会行政組織法第3条に基づく内閣からの独立性が高い組織で、原発再稼働を判断する新たな安全基準の策定など大きな権限が与えられる。
 原子炉格納容器内の圧力を下げるベントなど事故時の緊急対応も専門的知識が必要な判断は規制委が行うと規定。東京電力福島第1原発事故の際に菅直人前首相らによる現場介入が混乱を招いたとの指摘を踏まえ、首相の指示権を制限した。
 原子力規制委員会設置法は、平時の防災体制を強化するため、首相を議長とする原子力防災会議の設置も定めた。福島第1原発事故を教訓に「事故の発生を常に想定」と明記した。
 政府は規制委の委員5人の人選について、原子炉の専門家などに加わってもらう方針。
 また、事務局となる規制庁の職員に対しても、一定期間(5年)経過後は、出身官庁に戻らない人事ルールを適用する。 (聖教新聞 2012-06-21)


原子力規制 9月までに新組織発足 設置法が成立 首相の指示権は限定的】
原子力を推進する経済産業省内に規制を担う組織が併存するなど、現行の安全規制のゆがんだ構造を一掃するため、経産省原子力安全・保安院内閣府原子力安全委員会文部科学省などに分かれている規制組織を一元化。
 安全規制や専門性の高い人材を集約する必要性から、原子力関連施設の検査などを担当する独立行政法人原子力安全基盤機構(JNES)を、自公の主張通り、規制庁に統合する。
 そのほか、原発を推進してきた省庁の影響を排除するため、経済産業省などから規制庁に移る職員全員に、出身省庁への復帰を認めない「ノーリターン・ルール」を、5年の経過措置を設けて適用。緊急時の原子力施設に関する技術的・専門的な判断は規制委に委ねると明記し、首相の指示権を限定的にした。
 原発の運転期間を原則40年とする運転制限制についても、公明党が協議をリードし、同法に盛り込まれた。 (公明新聞 2012-06-21)


【主張 原子力規制委設置法 高い独立性の確保貫く 自公案を軸に成立 安全最優先の基準づくりを】
●これまで各府省に分かれていた規制組織は“縦割り行政”の弊害が生じていた上に、規制を担当する原子力安全・保安院が、原発を推進する経済産業省内に併存するという、ゆがんだ構造を抱えていた。新組織は原子力行政を一元的に担うことから、こうした課題が解決される。
 また、独立性の確保も焦点だった。
 当初の政府案では、原子力規制庁環境省の外局として置かれ、人事権や予算は環境相が持つものとされた。これでは独立性が低く、政治的な影響を受けるのは明白だ。
 これに対し、自民、公明両党は、独立性の高い国家行政組織法第3条に基づく「三条委員会」として原子力規制委を設置し、その事務局に原子力規制庁を置く対案を提出。民主、自民、公明3党が修正協議を重ねる中で、自公案を軸として議員立法がまとまり、三条委員会として原子力規制委が創設されることになった。高い独立性の確保が貫かれたのである。
●東電福島第1原発事故の教訓を生かし、二度と悲惨な原発事故を起こしてはならない。9月までに発足する予定の原子力規制委には、国民が安心できる「安全最優先」の基準づくりに全力を挙げてもらいたい。 (公明新聞 2012-06-22)