国連の前軍縮担当上級代表が講演

2012年6月24日(日)更新:2
【ブラジル・リオデジャネイロ文化会館で 国連の前軍縮担当上級代表が講演 「創価三代の会長の崇高な平和の理念に心から敬意」】
 本年2月まで国連軍縮担当上級代表を務めてきたセルジオ・ドゥアルテ氏が19日(現地時間)、ブラジルSGIのリオデジャネイロ文化会館を訪問。「多国間外交と軍縮における市民社会の役割」と題し、講演を行った。
 講演に先立ち、ドゥアルテ氏はSGI代表団と懇談。
 氏は「SGIとは、ニューヨークやジュネーブ軍縮への行動を共にした良きパートナーです。ブラジルでも一緒に活動でき、心からうれしく思います」と語った。
 そして、SGI会長が2015年のNPT(核拡散防止条約)再検討会議の広島・長崎での開催を提言していることについて強い関心を示しつつ、「同会議のみならず、様々な事前協議や国際会議などを広島・長崎で開催することも、考えられるのではないでしょうか」と指摘。「近年、国連と市民社会とのパートナーシップが深まってきたことを喜んでおります。NGO(非政府組織)などの市民社会が、知識や能力を兼備し、専門性を高めてきたことが要因であろうと思います」と語り、市民社会の一員としてのSGIの貢献に期待を寄せた。
 講演会でドゥアルテ氏は、自身の国連における核軍縮への取り組みに言及。「生命を脅かす核兵器が廃絶されなければならないという多くの宗教者の声を大事にしていきたい」「学会の三代会長の崇高な理念に心から敬意を表したい」と述べ、SGIの平和運動を高く評価した。
 講演に引き続き、活発な質疑応答が行われた。講演後、ドゥアルテ氏は、「ブラジルSGIの皆さまは、とても熱心に耳を傾けてくださいました。市民と距離の近い環境で語り合うことができ、大変にうれしく思います。また日本を訪れる機会にも、創価学会の皆さまと交流を深めてまいりたい」と語った。
 参加者からは「市民社会の一人として、核軍縮に参加していこうとの自覚を深くすることができました」「長年、平和外交に携わって来られたドゥアルテ氏が、SGIと共に平和のために進んでいるとの言葉が、大きな励みになりました」等の感想が寄せられた。
      (聖教新聞 2012-06-24、以下も)

【ドゥアルテ前国連軍縮担当上級代表の講演(要旨) 核兵器廃絶へ市民社会の声を SGIの教育活動に深く共感】
●近年、軍縮問題は幅広い草の根レベルの支持を受ける運動になってきました。限られたエリート指導者らによって、秘密裏に決定されてきた核兵器の運用を、より透明性を高め、民主的なものにしていかなければなりません。私が市民社会に望むことは、政治を厳しく監視し、自国の核兵器政策や原子力の平和利用を含めて、できる限り市民に公開していくよう、声をあげ続けていただきたいということです。
 また、「核兵器禁止地帯」をさらに各地で広げていくこと、国際法や人道的見地からも核兵器を廃絶していくべきことを訴えていくということです。
 この数年で、核兵器の使用は、国際人道法に違反するという認識が広がっています。
 生命を脅かす核兵器は廃絶されなければならない、という多くの宗教者の声を大事にしていきたい。
 私はその中で、SGIの長年にわたる、平和の文化構築のための教育活動を見てまいりました。国連で勤務していた折には、ニューヨークでSGIの代表の方々と、さまざまな機会に平和への活動を共にしてきました。
 2008年にはスイス・ジュネーブの国連欧州本部で、2009年にはメキシコで、SGIの“核兵器廃絶への挑戦展”の開幕式典に出席させていただきました。
 崇高な理念を掲げるSGIの活動については、私もよく理解しており、SGIの掲げる目的には、深く共感しております。
 牧口常三郎初代会長、戸田城聖第2代会長、池田SGI会長の三代に貫かれる創価学会の崇高な理念に対して心より敬意を表し、私の講演とさせていただきます。