票狙いか正しさ優先か 政治屋と政治家の違い

2012年7月6日(金)更新:4
【私はこう思う 「3党合意」の意義 票狙いか正しさ優先か 政治屋と政治家の違い】
 税金の負担が増えることを歓迎する人はいないだろう。が、その半面、そうしなければ、いよいよ国が立ち行かなくなっていることを理解している人も、決して少なくないのが現状ではないだろうか。
 野田首相が待ったなしと言う増税案、いわゆる社会保障と税の一体改革関連法案が6月26日の衆院本会議で民主・自民・公明の3党合意に基づき修正されて可決された。この法案可決に公明党が加わった意義は、とても大きいと私は思う。
 政権政党でありながら、「決められない政治」などと臆面もなく党の代表が発言したり、いつまでも党内の混乱・混迷が続いている民主党と、そして自民党の2大政党だけで法案を成立させていたら、増税先行、社会保障は置き去りのとんでもないことになっていたであろうことは想像に難くない。
 公明党が修正協議に参加することによって、社会保障の全体像明確化への仕組み作りや低所得者対策など、増税実施に際しての事前のしばりをしっかりかけたことは、まさに、福祉の党・公明党の真骨頂と大いに評価したい。この絶妙さこそ、真の政治家の証明だと私は思う。
 「政治家は“票につながる有権者受けすること”よりも、“正しいこと”を優先します。政治屋有権者の最も悪い“本能”に追随し、それを利用します。自身の目的遂行のために民衆を扇動します」とは、世界的な経済学者、香港の劉遵義博士の鋭い指摘である。
 来るべき選挙になれば、ただ単に増税反対の声、いわゆる有権者受けする声のみを発するところも多く出るであろうが、それは、日本の今日の現状の中で、冷静に考えればむしろ非現実的な声と言わざるを得ない。
 また、ある人曰く「政治屋と政治家の違いを見極めないと日本の政治は、いつまでだっても良くならないよ」と。
 真の政治家集団たる公明党の、ますますの躍進が今ほど必要なときはない。私はそう思う。 〈東京都福生市・56歳〉 (公明新聞 2012-07-06)