逆境にこそ信仰の真価が現れると、あらためて教えられた

2012年7月10日(火)更新:2
【名字の言】
 集中豪雨で、九州各地は甚大な被害に見舞われた。被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げたい
 救援活動を取材するなかで、人々の前向きな言葉に何度も心を打たれた。大分県日田市の壮年部員は3日、自宅と職場が床上浸水に。打ちのめされるなか、列島中の同志や知人からひっきりなしの電話。50件を超えたという。「水害にあって、俺には、こんなに多くの仲間がいるんだと気付いた」。壮年は面を上げた
 福岡県朝倉市の婦人部員も同じ日、自宅の裏山が崩れ、土砂が自宅寸前まで達した。「大変でしたね」と見舞うと、「いえ、私より大変な方がたくさんいます。その方々を激励してあげてください」
 小説『新・人間革命』にはたびたび、各地で災害に直面した同志の奮闘が描かれる。最近でも「人材城」の章で、1963年(昭和38年)8月の集中豪雨の際、熊本・五木村の同志が示した励まし合いと地域への献身の模様が描かれていた。「非常事態は、人間のさまざまな虚飾を取り除く。その時、信仰によって培われた人間性の地肌が、輝きを放つ」と
 負けない勇気。励まし合う心と心の絆。自分よりも人のため、という利他の精神――逆境にこそ信仰の真価が現れると、あらためて教えられた。 (聖教新聞 2012-07-10)