私達がめざしているのは、人々の幸福と社会の繁栄を実現していくこと

2012年8月12日(日)更新:3
・『宗教は信頼と希望であり、希望は宗教の本質』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20140503/


【新・人間革命 厚田 四十九】
 座談会では、中心者の婦人が、人間の幸・不幸と信仰の関係について、熱心に語ってくれた。漆原芳子も母も、心から納得した。そして、二人だけでなく、父、同居している弟、妹も一緒に入会したのだ。一九五四年(昭和二十九年)十二月のことである。
 最初に、初信の功徳が現れたのは、父であった。交通事故で「再起不能」と言われていたが、歩けるようになったのだ。また、寝込んでいた母も、家事ができるようになった。
 この体験を目の当たりにして、芳子は、闇のなかに、光が差した思いがした。自分と妹の病気も治したいと、懸命に信心に励んだ。
 彼女たちに、信心の基本を徹して教えてくれたのは、地区担当員(現在の地区婦人部長)であった。
 「日蓮大聖人の仏法の実践の基本は、『勤行』と『折伏』なのよ。
 『勤行』で、お経を読み、題目を唱えるのは、『自行』といって、これだけだと自分のためだけの信心になってしまうわ。
 周りの人が苦しんでいては、自分の本当の幸せもないでしょ。だから、親戚や友人など、周りの人たちに仏法を教え、『折伏』し、みんなを幸せにしていくのよ。これを『化他』というのよ。
 私たちがめざしているのは、すべての人に正法を教えて、人びとの幸福と社会の繁栄を実現していくことなの。それを『広宣流布』というのよ。『自行』と『化他』の実践があってこそ、功徳、福運を積み、自らの宿命の転換もできるということを忘れないでね。
 だから、あなたも、座談会には、友人を連れて参加できるように頑張りましょうね」
 当時、座談会は、毎日のように行われていた。芳子は、その指導を素直に実践した。
 入会十日後には、最前線組織である「組」の女子部の中心者となった。翌月、十九人の友人を座談会に誘い、三人が信心を始めたのだ。
 新しき前進の原動力は、新しき力にある。ゆえに、新しい人を、青年を育むなかに、広宣流布の新天地は開かれるのだ。  (聖教新聞 2012-08-11)