暗闇であればあるほど輝く星。そんな存在に、との思いが募った

2012年9月2日(日)更新:4
【名字の言】
 夏休みの宿題のために、子どもが公園で夜空を見上げていた。「夏の大三角形」を観察するらしい。夏の夜空の目印といわれる三つの星だ
 そのうち、ちょうど頭上に見えるのが、こと座の1等星ベガ。七夕の織姫星だ。そこからやや南東に目をやると、わし座の1等星アルタイルが見つかる。彦星だ。これらを隔てるのが天の川だが、夜も明るい町中では見えるはずもない。そこに至って、実際に天の川を見たことがないと気付いた
 後輩にも聞いてみた。すると、真っ暗な海岸で見たことがあるという。数多の星が降る夜空は感動的で「まるでプラネタリウムみたいでした」と。話が逆さまのような気もしたが……
 御書には、天の星のように無数の諸仏が法華経の行者を守護すると仰せである(1570ページ、趣意)。明るい空では見えないが、漆黒の闇に浮かび上がる天の川の星々。それは、暗く苦しい時にこそ、自分を支えてくれる人の存在に気付けることを教えてくれているようだ
 ブラジルの天文学者モウラン博士は語った。南十字星が際立って輝くのは、暗黒星雲のような暗い領域にいるからだ、と。天の川も中央部に暗黒帯を抱えている。暗闇であればあるほど輝く星。そんな存在に、との思いが募った。 (聖教新聞 2012-09-02)