志を継ぐ人材を育て、人間対人間の友情を広げる

2012年9月3日(月)更新:4
【名字の言】
 日中の交流に励む親子の体験を聞いた。母は29年前、創価大学箏曲部OGとして、初訪中した
 滞在中、周恩来総理夫人のトウ穎超女史との出会いに恵まれた。 女史は握手した際、「あなたの子どもにも、中日友好の重要性を語り継いでほしい」と。2年後、長女を出産。折に触れ、友好への思いを伝えてきた
 母に影響を受けた娘は、創価女子短大に進学。2007年、中国・吉林大学に留学した。勉学を重ね、優秀留学生賞も受賞。帰国後は大手機械メーカーに就職し、得意の中国語を生かして存分に力を発揮する
 「子どもは未来を切り拓く宝、子どもはみんな私の子ども」と、 女史は口癖のように語っていた。革命に生涯を捧げ、後継の世代を励まし続けた「人民の母」。その人格に最も大きな影響を与えたのも、母の楊振徳女史だった。「自立した強い女性になりなさい」「周夫人としてではなく、トウ穎超として尊敬される人間になりなさい」と(『人民の母――トウ穎超』白帝社刊、西園寺一晃氏の序文から)
 今月は日中国交正常化40周年。交流の主役は、道を開いた人々の子や孫の世代に移っている。志を継ぐ人材を育て、人間対人間の友情を広げる。それが、多少の波では揺るがぬ友好の礎となる。 (聖教新聞 2012-09-03)