新学期がスタート――親子で共に生活習慣を見直そう

2012年9月3日(月)更新:5
【社説】
 小学6年生と中学3年生を対象に行った第5回全国学力・学習状況調査(本年4月)で、秋田県がトップの成績を収めた。2007年の第1回調査以降、常に上位に位置する同県。県検証改善委員会は好成績が続く理由として、「よく家庭学習をする」「早寝早起きなど、規則正しい生活を送っている」「朝ごはんを家の人と一緒に食べている」など、生活習慣の確立を挙げた。学力向上には、生活習慣の見直しは欠かせない。

〈睡眠不足は情動面に悪影響〉
 新学期が始まった。夏休み中、ロンドンオリンピックが開かれ、ついつい寝る時間が遅くなり、夜型の生活になった子どももいただろう。
 この20年間で、午後10時以降に寝る未就学児の割合は、年齢によって2〜4倍に増加し、生活リズムが夜型になっているという。その要因は「夜9時以降のテレビ娯楽番組を大人と見ること」だった(文部科学省の調査から)。
 子どもが健やかに成長するためには、部屋を暗くしたり、テレビを消したり、時には一緒に寝たりするなど、就寝時の配慮が必要だ。新学期は、子どもたちの生活習慣を見直すとともに、大人自身の生活を見直すチャンスでもある。
 生活リズムを整える基本は、適度な運動、バランスのとれた食事、十分な睡眠である。特に睡眠不足は、イライラする、攻撃性が高まる、無表情になる等、情動面に悪影響を与える。学校生活では、朝起きられない児童は「忘れ物が多い」「注意される回数が多い」傾向が。また肥満になりやすいといった報告もある。
 睡眠医療認定医・医学博士の梶村尚史氏は、「『早起きするために、早寝をする』という発想を捨てて、『ぐっすり眠るために、まず早起きをする』という考えを持つべき」と語る。

〈“朝勝ち”がリズムを整える〉
 人間は、起きてから約16時間後に眠くなるようにできている。当然のことだが、早く起きた分、早く眠くなる。つまり、“朝勝ち”が生活リズムを整える第一歩なのだ。
 池田名誉会長は、「少年少女きぼう新聞」でつづっている。「元気な朝から、元気な一日をつくる。そのリズムで一日一日を積み重ねれば、元気な一年、元気な青春、元気な一生につながります」(「希望の大空へ」第2回)
 題目を朗々と唱えながら、まずは“朝勝ち”に挑戦し、「未来の宝」と共に勝利の人生を歩んでいきたい。
   (聖教新聞 2012-09-03)