文化・芸術交流が心を結ぶ 中国・上海で「自然との対話」写真展

2012年9月7日(金)更新:5
【師弟の大道を歩む 新しい力で時代を開け!(61) 文化・芸術交流が心を結ぶ 中国・上海で「自然との対話」写真展 誠実な振る舞いが深い友情に】

橋元 8日は、戸田先生の「原水爆禁止宣言」(1957年〈昭和32年〉)から55周年。学会の平和運動の原点として、不戦と核兵器廃絶への誓いを新たにしていきたいと思います。
正木 また8日は、池田先生の「日中国交正常化提言」の日でもあります(68年〈同43年〉)。
吉井 先生はアジアの安定と世界平和のためという大局観に立ち、中国との国交回復を訴えられました。単に国家関係だけでなく、民衆同士が友情を結ぶことを願われた提言です。
原田 二つとも青年の前で発表されたことは大事な歴史です。弟子の青年と共に平和の新時代を切り開こうとの師匠の思いが深く響いてきます。
橋元 今月は日中国交正常化40周年。これまでも両国間にさまざまな問題が起こってきましたが、そのなかでも池田先生は文化・教育・青年交流を大きく進めてこられました。
杉本 先生は「政治や経済の次元では、さまざまな波風が立つこともあるでしょう。しかし、人間と人間、民衆と民衆、青年と青年の真の友誼は、何ものにも壊されません」と語っておられます。

〈偉大な思想家2人〉
谷川 いま、中国の上海魯迅記念館では「自然との対話――池田大作写真展」が開かれています。先月、その開幕式に学会の代表として出席してきました。
杉本 中国の友人と一緒に鑑賞した日本人の方が「文化、芸術を通しての交流は、一瞬にして人と人の心をつなぐ、大きな力があると痛感しました」と語っていたのが印象的です。
吉井 写真展は、先生と魯迅の思想の共通性を研究してきた王錫栄館長が長年、実現を願い続けてこられたものだと伺いました。
谷川 開幕式の後、王館長は「魯迅池田大作――東アジアの2人の偉大な思想家の共通点」との特別講演を行われました。そこで紹介された七つの視点は示唆に富んでいます。
 「国を愛し民衆を愛する心を生涯貫き通す」「悪には徹して厳しく、あきらめない心」「深い思想で暗闇に灯をともす」「文壇の第一人者として等身に及ぶ著作」「世界に目を向け、時代を牽引する」「倦むことを知らない献身的な精神」「東洋の哲学者であり、広範で深く鋭い智慧を有している」です。
原田 深い洞察です。池田先生への尊敬の念に満ち満ちた講演ですね。
谷川 講演の最後では、「この2人の哲学者を生み出したことは、東アジアの栄誉ではないでしょうか。偉大な先人である魯迅と池田先生を、共々に擁護し敬愛し尊崇してまいろうではありませんか!」と語っておられました。

〈励まし合いの絆を〉
正木 今回は、作家・巴金氏の故居も訪問していましたね。記念館となっている故居の館長であり、巴金氏の令嬢である李小林氏が歓迎し、4度の会見を重ねた巴金氏と先生を巡るエピソードを語ってくださったと聞きました。
谷川 そうです。その一つが84年(昭和59年)5月、東京での会見翌日、巴金氏と李館長がレストランで食事をしていた時の話です。なぜかその日から不思議にも、周りの方に声を掛けられるようになり、「記念撮影してください」とまで言われたそうです。実は、その日の聖教新聞を読んで、先生と巴金氏の会見を知った人たちが話し掛けてきていたのです。李館長は「池田先生の存在の大きさを知りました」と、ほほ笑んでおられました。
吉井 今回、李館長が応対された部屋は、巴金氏と池田先生がかつて会見されたのと同じ場所だったそうですね。
谷川 「池田先生に、私たちの部屋でゆっくり過ごしたことを思い出していただきたい」との李館長の真心で、そうしてくださいました。また李館長は、私たちの訪問にあたり、「強き信念〜池田大作と巴金」と題した小冊子まで、わざわざ作成してくださいました。それほどまで、池田先生との友情を大切にしておられるのです。
原田 友情は一朝一夕に結ばれるものではありません。先生は数多くの海外の識者と交流してこられましたが、たとえば会見の時だけでなく、その前後も折に触れて真心を込めた伝言を送られるなど、陰に陽に、誠実な振る舞いを重ねておられます。
橋元 日中友好に尽くした外交関係者も、「池田名誉会長ほど誠実な方は見たことがない」と感嘆しておられました。
正木 私たちの友情拡大も同じです。池田先生は「御義口伝」の「鏡に向って礼拝を成す時浮べる影又我を礼拝するなり」(御書769ページ)との御文を通して、こう語られたことがあります。
 「人間関係には、顔を合わせる関係、あいさつを交わす関係等々、さまざまな次元がある。その中でも、互いに励まし合い、助け合いながら向上していく絆こそ、人間世界の華であろう」
 「地域に尽くせば、地域の方々から守られる」と。
 私たちが友のため、地域のために地道に誠実に尽くした分、友情は深まっていきます。
杉本 とくに、毎日のあいさつ、声掛けから信頼が広がっていきます。麗しい地域をつくりゆく主体者として、近隣の方々との心豊かな交流を大切にしていきたいですね。
   (聖教新聞 2012-09-06)