「原水爆禁止宣言」から55周年 核廃絶へ 師の闘争に続こう

2012年9月7日(金)更新:8
【社説】
 あす8日は、戸田城聖第2代会長の「原水爆禁止宣言」55周年の佳節。1957年(昭和32年)9月8日、戸田会長は横浜・三ツ沢の競技場で5万人の青年を前に叫んだ。「われわれ世界の民衆は、生存の権利をもっております。その権利を脅かすものは、これ魔ものであり、サタンであり、怪物であります」――それは、核使用の元凶を人間生命に潜む“魔性の働き”と捉え、人類の宿命転換を果たさんとする歴史的な大宣言であった。
 また、戸田会長は、会場に集った後継の青年たちに「私の弟子であるならば、私のきょうの声明を継いで、全世界にこの意味を浸透させてもらいたい」と訴え掛け、核廃絶への願いを“第一の遺訓”として、後世に残したのである。

人間主義の大潮流を広げる〉
 恩師の遺訓を胸に、池田SGI(創価学会インタナショナル)会長は「核なき時代」に向けた平和闘争を開始した。30回に及ぶ「SGIの日」記念提言で、一貫して核廃絶へのメッセージを発信。ライナス・ポーリング博士をはじめ、核廃絶を進める識者と対談し、仏法を基調とした人間主義の大潮流を全世界に広げた。それらは、国連本部や世界各国での“核の脅威展”等として結実している。
 今、核軍縮脱原発の議論がなされている。しかし、いまだ人類は核への依存と恐怖の鉄鎖に縛られている。
 本年、中国方面の男女学生部が中国5県の大学・専門学校等に通う学生を対象に行った平和意識調査では、今後、戦争・紛争、テロ等で核兵器の使用があると思う、または、あり得ると答えた人は87%に達した。さらに、核兵器の廃絶または軍縮が可能と答えた割合は66%で、2年前の調査より8ポイント減少した。

〈「一人の力」の最高の模範〉
 核廃絶への無力感や諦め、無関心や傍観が若者の間に広がりつつあるならば、「生命尊厳」の根本思想を、政治的にも民衆レベルでも、それを“浸透”させゆく努力がいや増して急務である。そして本質的な問題解決は、「生存の権利」を脅かす“生命の魔性”との不断の戦いを持続することによって果たされる。
 米国・核時代平和財団のクリーガー所長は、8月9日付本紙のインタビューでSGI会長の行動を、「核廃絶に対して確固たる責任を持った、『一人の力』の最高の模範」とたたえている。「核なき時代」への変革は、人類の平和と幸福を勝ち取ろうとする、“一人”の偉大な人間革命から開始されると銘記したい。
    (聖教新聞 2012-09-07)