現代を鋭く見据え、未来へ進む不動の「指標」、『寸鉄』

2012年9月9日(日)更新:1
【名字の言】
 本紙を愛読する友人と語らいが弾み、話題が小瀾の左にある「寸鉄」に及んだ。名称が中国の故事に由来すること、掲載スペースは小さくとも舌鋒鋭く事象の本質を突き、大きな存在感をもつことなどを説明した
 話しているうちに、フランスの、ある新聞のことが脳裏に浮かんだ。「ル・カナール・アンシェネ」(「鎖につながれたアヒル」の意)という名の小さな新聞だ。かつて池田名誉会長が学生部の総会で紹介したことがある
 反ナチスレジスタンス(抵抗運動)の中で創刊され、発行部数は少ないものの、勇敢に正義を叫ぶ信念の言論紙と評された。権力の弾圧も、同紙をつぶせなかった。読者の圧倒的な支持があったからだ。多くの読者は“私はいつ以来、この新聞を読み続けている”ということを誇りとしていた
 きょう24日は「聖教新聞創刊原点の日」。1950年(昭和25年)のこの日、戸田第2代会長と池田名誉会長が新聞発刊の構想を語り合った。「寸鉄」欄は、翌年4月20日の創刊号から登場し、戸田会長自ら筆を振るった
 「原点」とは、遠い昔の歴史の一コマではない。現代を鋭く見据え、未来へ進む不動の「指標」だ。読者と共に、人間主義の世紀を創造しゆく出発の日としたい。
   (聖教新聞 2012-09-09)