「この展示は教えてくれる 一人が立てば何かできる、と」―来賓の声

2012年9月20日(木)更新:2
【欧州から平和の連帯を ドイツ、スペインで核廃絶展 戸田第2代会長「原水爆禁止宣言」55周年を記念】
 戸田城聖第2代会長の9・8「原水爆禁止宣言」発表から今月で55周年を迎えたことを記念して、SGI(創価学会インタナショナル)が制作した「核兵器廃絶への挑戦」展が欧州で活発に行われている。
 同展は2007年9月、「核兵器廃絶への民衆行動の10年」のキャンペーンの一環としてスタートした。
 「人間の安全保障」の視点から核兵器の問題を根本的に問い直すことを訴え、これまで世界各国で開催され、反響を広げてきた。
 ドイツでは11日、GCC(国際協力評議会)とIPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部の共催で、エアランゲン市の市庁舎を会場に開幕した(21日まで)。
 ドイツでの開催は、ベルリン、マインツに続いて3都市目となる。
 展示会のテーマは、「暴力の文化から平和の文化へ」。
 11日の開幕式では、来賓を代表してエアランゲン市のシーグフリット・バライス市長が、同展開催に至るまでの数多くの関係者の協力に感謝を。「相互理解を深めるために必要なことは、非暴力の精神であり、持続可能な未来を考えていくことです。そのことを、同展を通して市民に再認識してほしい」と語った。
 ドイツSGIのマツノ最高参与の話、有志の演奏などに続いて、IPPNWドイツ支部のマティアス・ヨホハイム会長があいさつ。
 世界的な経済不安により、現代はいつどこで争いが起こっても不思議ではないと言及。争いの原因は、人間の貪欲さにあるとし、その克服のためには、お互いを「尊敬する心」「いたわる心」を持ち、“平和の文化”を構築していく必要があると強調。
 「この展示は“一人が立ち上がれば何かができる”ということを私たちに教えてくれています」と述べた。
 スペインでは8日、リーバス・バシアマドリード市のスペイン文化会館で始まった。
 SGIメンバーのほか、マドリード宗教間対話協会の関係者や地元市民らが出席した開幕式では、パブロ・フアレス青年部長が、広島と長崎に落とされた原爆の脅威について語った。
 続いて、青年部のダルパン・ラルワニさん、アリシア・リウスさん、タイス・タカハシさん、ロランド・オベルさんが研究発表を。
 テーマは「戸田第2代会長の『原水爆禁止宣言』」「『SGIの日』記念提言で示された立正安国の精神と地球民族主義」「核兵器廃絶への戦いと市民の意識変革の必要性」「創価学会、SGIの核廃絶運動の歴史とスペインSGI青年部の平和運動」。
 参加者からは「青年の決意あふれる姿に感動しました。平和建設の精神を伝える存在は青年でなくてはなりません。一人一人が目を開き、周りの人々に平和のメッセージを伝えなくてはならないと感じました」などの声が寄せられた。
 スペイン文化会館での展示は、28日まで。
 会場には連日のように市民が訪れ、「核兵器廃絶という巨大なテーマの前で、私たちは小さな存在に見えます。しかし、小さな力が集まることで、大きな変革の力が生まれます。このような地道な展示活動を通して、核兵器廃絶の努力を続けている皆さんに心から賛同します」と語るなど、大きな反響が広がっている。
 またスペインSGI青年部は8日、「SGIの日」記念提言に関する研究発表会をバルセロナ市、ラスパルマス市、テネリフェ島で開催。創価の師弟が刻んだ平和行動の軌跡を広く市民に紹介した。
   (聖教新聞 2012-09-20)