いじめ問題がなくならないのは「すべての大人の責任」

2012年9月23日(日)更新:6
【名字の言】
 女子高等部員の話を聞いた。小学3年の時、突然、いじめにあった。父母に何を聞かれても、彼女は口を閉ざし続けた。真実を語り始めたのは、半年も過ぎてから。「どうしても相手を悪く言いたくなかった」
 家族で『希望対話』を学び、一緒にいじめの解決を祈った。4年生になって、彼女は勇気を出して、担任教師にいじめの実態を語った。クラスの半数以上が、いじめに加担していた。何度もクラスで話し合いがもたれ、ようやく事態は収拾の方向に
 「わが教育者に贈る」の第4回で池田名誉会長は、いじめ問題がなくならないのは「すべての大人の責任」と言い切る。「なぜなら、子どもたちは大人の鏡だからです」。そして、どんなに困難で複雑な現場にあっても「それでも対話を!」と綴った
 女子高等部員の父母は、娘の変化を見逃さず、忍耐強く寄り添い続けた。孤独の中で、もがき、悩んでいる人にとって、自分を見守り続けてくれる温かいまなざしは、何よりの支えとなる。彼女にとって、父母が、どれほどの希望の光だったことか
 人の苦しみを見逃さない「心の眼」を磨きたい。彼女は今、苦しみを乗り越え、鼓笛隊の一員として、多くの同志に希望を送る使命の青春を生きている。
   (聖教新聞 2012-09-23)