3万点の所蔵品から厳選 ミレー、ルノワールなど100点を公開

2012年10月3日(水)更新:2
【ふくしま文化復興事業 福島民報創刊120周年記念東京富士美術館が企画・支援「洋画の巨匠たち」展が開幕】
 「ふくしま文化復興元年 愛、命、絆…洋画の巨匠たち〜東京富士美術館名作100選〜」展(主催=福島民報社)が29日、福島市福島県文化センターで開幕した。同展は東日本大震災からの「ふくしま文化復興事業」であり、「福島民報」創刊120周年を記念するもの。東京富士美術館が企画・支援し、珠玉の名品100点を公開する。開幕式典には、福島県佐藤雄平知事、福島県文化振興事業団の遠藤俊博理事長をはじめ各界の来賓が出席した。会期は11月4日(日)まで。
 東日本大震災から1年半。地震津波原発事故。そして長期化する避難生活……。
 “洋画の巨匠たち展”の会場である福島県文化センターも震災で損壊。同センターの再オープンが、展覧会の開幕の日となった。
 福島県文化振興事業団の遠藤理事長は「傷ついたセンターがよみがえり、展覧会が開催できたことに感謝は尽きません。本展は福島の復興史に必ず刻まれるでしょう」と言う。
 心の復興を進める文化行事として待ち望まれた展覧会は、東京富士美術館の尽力によって実現。同美術館の創立者・池田名誉会長は「芸術の力」について、こう述べている。
 「芸術の世界は、『ほっとする』ものであって、身がまえたり、窮屈になったりするものではないのです。疲れている心を励ましたり、きゅっと凝り固まった心を、ときほぐし、解放させてくれるのが、芸術であり、文化なのです」
 展覧会は、創立者の思いを受け、ミレー、ルノワール、ゴッホなど、誰もが一度は耳にした西洋画の巨匠の作品が一堂に。出品された100点は、同美術館の3万点の所蔵品から厳選。さらに、日本初の本格的な西洋解剖学書の翻訳書『解体新書』も特別公開する。
 鑑賞に訪れた福島県美術家連盟の齋藤勝正委員長は語った。
 「私は、感動することは、何かを始める第一歩だと思います。本物の作品が放つ情熱が、私たちを前進へと導くに違いありません」
 開幕式展では、主催者の福島民報社・高橋雅行代表取締役社長があいさつ。佐藤福島県知事が祝辞を述べた。
 同展は、子どもの豊かな情操と創造力を育む機会にとの願いを込め、小学生以下の入場が無料となっている。

案内
 ▽会場=福島県文化センター(福島市春日町5の54)
 ▽会期=11月4日(日)まで
 ▽開館時間=午前10時から午後5時(最終入場は午後4時半)。期間中は無休
 ▽入場料=一般・大学生1000円、中学・高校生600円、小学生以下は無料
   (聖教新聞 2012-09-30)