一つのパンを分かち合う共生の「知恵」を青年へ

2012年10月3日(水)更新:3
寸鉄
●「何のため」を教えるSGI会長の哲学に学べ―元総長(トルコ)。平和建設の指標はここに
   (聖教新聞 2012-10-03)


【英知の光彩 第17回 トルコ アンカラ大学 セリーン元総長】
〈元総長は、かつて創価大学で「未来社会への大学の責務とは」とのテーマで講演されました。あれから約20年がたった今、21世紀の大学の責務について、どのようにお考えですか〉

●私は、「未来社会への大学の責務とは」の講演が今なお、さまざまな点で有効であると考えています。大学とは、それぞれの国で、人類全体の発展と前進に貢献する、成熟した立派な青年世代をしっかりと育てるめに、不可欠な存在です。そのためには「文化」と「学問」の両方が重視されるべきなのです。
 例えば、トルコには「一つのパンがあれば、半分は貧しい人に分かち合う」という言葉がありますが、これはイスラムの知恵と教えであるのみならず、トルコ国民の知恵であり、国民性でもあります。
 これまで大学では、「技術」の開発には力を入れてきましたが、その技術を用いる「知恵」の開発は軽視されてきたと言わざるをえません。
 人類の未来を決する、環境や資源や戦争の問題を解決していくためには、極限にまで高められた技術を「何のため」に使うのかという、「賢明な知恵」の獲得こそが必要なのです。つまり、苦しむ民衆の心が分かる学生でなければならないのです。
 そのために私は、人類にとって最も重要な哲学者であり人間主義者である池田博士に学び続けていきたいと考えているのです。
   (聖教新聞 2012-09-30)