「強き責任感」が偉業を成し遂げる

2012年10月7日(日)更新:7
【人生を生き抜く羅針盤 一人立つ精神】
〈企業が求める“自主行動型”社員〉
●企業が若手社員の育成や社員の採用にあたり、最も求めている能力・態度は、「指示されたことだけでなく、自ら考え行動することができる」、及び「コミュニケーション能力が高いこと」であることが分かりました。
●若手社員には、自ら率先して仕事の責任を担い、行動を起こしていく「使命感」や「責任感」が強く求められているのです。


〈「日本を支える精神の柱となろう」 まず「自分」から動き始めよう〉
日蓮大聖人の仏法は、一人一人の生命に宇宙大の可能性が具わり、その可能性を発揮していくことで、自分自身が変わり、世界をも変えていけることを教えています。
 大聖人は、その実現の方途として「南無妙法蓮華経の唱題行」を説き顕され、妙法流布という大闘争に立ち上がられました。それは、「はじめは日蓮一人が南無妙法蓮華経と唱えたが、二人・三人・百人と次第に唱え伝えてきたのである」(御書1360ページ、通解)と仰せのように、“一人”から始まった闘争でした。
 幾多の迫害にも屈せず、民衆救済のために闘われた大聖人は、「一切衆生のさまざまな苦悩は、ことごとく日蓮一人の苦である」(同758ページ、同)と述べられています。大聖人の心は、あらゆる人々の全ての苦しみを、わが苦とされる大慈悲にあふれていました。
 また、大聖人は御自身の決意として、「私は、日本を支える精神の柱となろう。思想の正邪を見極める眼目となろう。一切衆生を幸福の楽土へと運ぶ大船となろう――との誓願を破ることはない」(同232ページ、趣旨)とも仰せです。
 こうした大聖人の言葉には、いずれも他人を頼りにするのではなく、“自分自身が断じて民衆を救うのだ”との、決意や使命感が漲っています。
 大聖人は別の御書で「竹の節を一つ割れば、他の節もそれにしたがって割れるようなものである」(同1046ページ、通解)と仰せです。
 これは、妙法によって一人を成仏させることができれば、万人を成仏させることが可能になることを譬えた言葉です。また、一つの突破口が、ひいては広く他の問題の打開の源となることも教えてもいます。
 一般的にも「破竹の勢い」という言葉があるように、目の前の問題や困難を打ち破る“一人”から、突破口は開かれます。ゆえに大聖人は門下に対しても、「一人立つ」重要性を訴えられていたのです。


〈「私こそ学会の全権大使」との自覚〉
創価学会も、三代の会長による「一人立つ」闘争によって、世界192ヵ国・地域に発展してきました。
 「羊千匹より獅子一匹」と叫ばれた牧口常三郎初代会長は、軍部政府の圧迫にも負けず獄中闘争を貫かれて、殉教されました。
 戸田城聖第2代会長も2年間の獄中生活の末に出獄し、焦土と化した東京で、壊滅状態だった学会の再建に一人立ち上がりました。
 戸田会長はまた、「青年よ、一人立て!二人は必ず立たん、三人はまた続くであろう」と語られましたが、この呼び掛けに応えて立ち上がったのが、池田大作名誉会長です。
 恩師の苦境を一人で支えた名誉会長は、戸田会長亡き後は第3代会長として、世界広宣流布という未聞の大道を自ら開拓してきたのです。
 誰かを頼むのではなく、決然と「一人立つ」。「自分」から始める。これが創価の師弟の根本精神です。学会の同志もまた、「自分が地域の幸福責任者」「私こそ学会の全権大使」との自覚で、地域に信頼と友情の輪を広げています。
 名誉会長は語っています。
 「偉業を成し遂げる力はなにか。それは、強き責任感である。『わが理想を断じて実現する』との強固な一念である。『一人立つ』深き決意から、無限の力が湧き出ずるのである」と。
 使命を自覚した一人が行動を起こせば、事態は大きく動き出します。そして、「一人の人間」をどこまでも大切にしながら、「目覚めた一人一人」の連帯によって社会を変えていくのが創価学会の「人間革命」運動です。
 私たちは、常に主体者の自覚に立ち、行動を起こす最初の“一人”となっていきましょう。
   (聖教新聞 2012-10-07)