行き詰まっては唱題で打開し、また壁にぶつかっては信心で乗り越え

2012年10月8日(月)更新:1
【名字の言】
 「十」と「八」を重ねて、10月8日は「木」の日だそうだ。先日、青森県の名のごとく、青々と輝く森林を見て、思った。”人は木に深く学ぶべきだ”と
 同県の木はヒバ。秋田の杉、木曽の檜と並ぶ日本三大美林の一つ。”100年育って一人前”というヒバの若木は、風雪に耐え、じっくりと成長する。促成でなく、熟成ゆえに、木目は美しく、耐久性を持つ
 福島県で大工50年の壮年部員と語らった。手掛けた数々の住宅は、昨年の大震災の揺れには耐えた。だが、原発事故の影響で多くの人が、その家で暮らせないことが悔しい。「つくり手としてもつらい。でも、負けねえよ」。彼は復興住宅の建設や家屋の修理に汗している
 彼は言う。「目が細かく、しっかりと年輪を刻むのが良い木だ。そうでない木は、長い時の中でガタが来るか、いざ使おうという時にボロが出る」。”生涯修業”を信念に、まだまだ年輪を刻む時と決め、試練に耐える彼の姿と重なった
 仏道修行について、池田名誉会長は語った。「行き詰まっては唱題で打開し、また壁にぶつかっては信心で乗り越え、そのたびに境涯を開いて、知恵と正義の大樹へと育っていく」。風雨に打たれることなく成長した大樹はない。人もまた同じである。(城)
   (聖教新聞 2012-10-08)