餓鬼は恒河を火と見る・人は水と見・天人は甘露と見る

2012年10月18日(木)更新:1
【名字の言】
 高校受験に失敗した後、大学受験でも浪人、それでも第1志望の学部には受からず、就職試験にも落ち、国内留学の試験も失敗……▼“6回の落第と18回の挫折を経て、今の自分がある”と語るのは、“尾木ママ”こと、教育評論家の尾木直樹氏だ。“挫折や失敗に、自分の本当の姿がある。成長とは、その自分自身を受け入れることから始まる”と▼氏は、香川県から上京して早稲田大学を受験。ところが不合格と分かると、「おめおめと帰ってたまるか!」と、着の身着のまま、東京で下宿生活を始めた。家具が一つもない3畳の部屋。だが、「世界は広い」と実感できたという。個性的な友人に囲まれ、人と関わることの素晴らしさを知ったからだ(『ピンチを「味方にする」スイッチ』主婦と生活社)▼御書に「餓鬼は恒河を火と見る・人は水と見・天人は甘露と見る」(1050ページ)と。“もうだめだ”としか思えなかった状況も、“スイッチ”を切り替えると、全く違って見えてくる。環境を変えてみるのもいいが、独りで考えず、人と触れ合えば、“スイッチ”は見つかりやすい▼広布の組織も一面から見れば、そのためにある。互いに励まし、切磋琢磨して、どんな苦難をも「成長の糧」へと変えていく。(行)
   (聖教新聞 2012-10-17)