「新聞週間」に寄せる 希望と勇気を届けるために

2012年10月20日(土)更新:4
【社説】
 今週は「新聞週間」である。
 東日本大震災をきっかけに、新聞の重要性があらためて注目されるようになった。日本新聞協会の調査(本年5月発表)では、「情報が詳しい」という点への評価が、他メディアに比べ、前回調査(2009年)より大きく伸びたという。
 ウェブサイトやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が「速報性」の担い手となって久しい。しかし新聞には、新聞の果たすべき役割がある。調査では、SNSなどに書き込みをする人のうち、約25%が「新聞、新聞社のニュースサイト」の情報を参考にしているとの結果も明らかになった。新聞は、ネット利用者にも少なからぬ影響を与えている。
 聖教新聞は「人間の機関紙」を標榜する。その使命をいま一度、考えてみる時、本紙ならではの、ある特長に気付く。聖教は読者の手元に届いた後も、さまざまな姿に形を変えながら、掲載の日付を越えて人を励まし続けるということだ。
 ある記事は切り抜かれて手帳の中へ。
 ある連載は小冊子にまとめられて。
 ある特集は座談会場に張り出されて。
 その極致を見たのが、東日本大震災の時だった。「『心の財』だけは絶対に壊されません」との池田名誉会長のメッセージが掲載された紙面は、被災地の隅々まで届けられた。
 それは、悪路を何十キロも迂回して配送してくれた男子部員、メンバーを捜して避難所を回り続けた“無冠の友“の本紙配達員の婦人や壮年、散乱した紙を集めて記事を書き写し続けた女子部員らによって――。
 「あの先生の言葉を胸に、今も日々、折れそうになる心を奮い立たせている」と、ある被災地のメンバーは、皆の心情を代弁するように語る。人を徹して支えゆく聖教新聞の使命を、あらためて教えられた。
 苦難を押し返す同志の姿と、そこに生まれる励ましの言葉――生きる希望と勇気を届けるために、聖教新聞は歩み続ける。配達員、通信員の皆さまをはじめ、多くの方に支えていただいていることに深謝しながら、SEIKYO online(聖教新聞社のホームページ)も含め、一層の紙面充実に努めたい。
 師弟一体で広布の歴史をつづりゆく新聞制作に、全力で取り組んでいく決意である。
   (聖教新聞 2012-10-18)