紙上座談会 まず一人立つ誓願と実践を

2012年10月23日(火)更新:2
【師弟の大道を歩む 新しい力で時代を開け!(71) 勝利のリズムは「決めて、祈って、行動する」 まず一人立つ誓願と実践を 公明党が「身を切る改革」に先駆】
吉井 24日は「社会部の日」です。信心を根本として仕事に励むなか、職場で「なくてはならない人」を目指して活躍されています。
原田 「仏法やうやく転倒しければ世間も又濁乱せり、仏法は体のごとし世間はかげのごとし体曲れば影ななめなり」(御書992ページ)とある通り、「仏法即社会」です。現実の社会で妙法の智慧を発揮し、勝利の実証を示していく模範が社会部の皆さんです。
橋元 企業の業績不振のニュースが後を絶ちません。社会部の皆さんは「信心で苦境を乗り越えよう」と奮闘されています。
棚野 学会ではよく「信心は一人前、仕事は三人前」と言われます。池田先生が戸田先生のもとで働かれていた時、戸田先生がよく語っておられたそうです。池田先生は当時を述懐し、こう指導されました。
 「『一人前』の仕事でよしとすれば、自分に与えられた仕事だけをこなせばよいという無責任な“雇われ根性”になりかねない。先生は、それを厳しく戒められたのだ。大きな仕事を成し遂げるには、自分だけでなく、周囲にも目を配り、皆の仕事がうまくいくように心を砕くことが大切である。また、後輩も育て上げなければならない。さらに全体観に立ち、未来を見すえ、仕事の革新、向上に取り組むことも望まれる。戸田先生は、その仕事への姿勢を、『三人前』と表現されたのであった」と。
杉本 学会の組織においても、リーダーが心しておくべき姿勢ですね。


〈使命を自覚し前進〉
棚野 「信心は一人前」については、こう語っておられます。
 「『信心は一人前』とは、広宣流布をわが使命と定め、決然と『一人立つ』ことだと教えられた。決定した、この『一人前』の信心があってこそ、『三人前』といえる堂々たる仕事を成し遂げ、職場に勝利の旗を打ち立てることができる」
正木 「一人立つ信心」を貫いて初めて「一人前の信心」となる――大事な指導です。使命を自覚し、自らの意志で勝利への目標を定め、宿命転換と人間革命の信心の戦いに出発する。それは“言われたからやる”などという受け身ではありません。同志と団結しながら、自身の誓願に生き抜く潔い信心こそ、社会でも地域でも勝利を開いていくことができます。
橋元 信心の活動では、「決めて、祈って、行動する」というリズムが大事ですね。まず「決める」ことからです。
正木 そうです。御聖訓に「心の一法より国土世間も出来する事なり」(同563ページ)等とある通り、自身の一念から一切が変わっていきます。
原田 決意が深ければ深いほど、祈りは真剣になります。生命力と勇気が湧き上がり、具体的に行動できます。朝晩の祈りのなかで自身の決意や目標をあらためて確認していきたい。


〈“議員特権”は廃止〉
棚野 長引く不況のなか企業はさまざまな改善を通し、業務の効率化、コスト削減に取り組んでいます。 杉本 家計も同じです。無駄を省くなど、工夫しながら倹約をしている方々が多くいます。だからこそ政治や行政への目も一段と厳しくなります。政治家には、長期的な見通しに立った政策を進めるなかで「身を切る改革」に果敢に取り組んでほしいと思います。
橋元 「身を切る改革」を最も力強く進めてきたのは公明党です。最近も実績が増えました。公明党の提案で、国会議員への私鉄とバスの無料パスの支給が廃止されました。
吉井 これは日本民営鉄道協会日本バス協会から議員活動の支援として提供されていたものです。
橋元 国が経費を支払うのではなく、協会から無償で配布されていました。しかし、そもそも国会議員には文書通信交通滞在費として月100万円が別に支給されており、国民目線から大いに違和感がありました。そこで公明党が“国会議員の側から返上すべき”と訴えてきたのです。
棚野 議員歳費の削減も公明党がリードしています。昨年も東日本大震災後に、復興財源を確保する目的で、4月から半年間で議員1人当たり300万円を削減しました。
吉井 今年に入ってからも、2年間で840万円という歳費の2割削減を提案しました。各党が難色を示しましたが、結果、5月から2年間で約540万円が削減されることになりました。まだ期間が限られているものですので、引き続き歳費削減の恒久化を目指しています。
杉本 歳費の支給方法も変わりましたね。以前は、たとえば在任期間の関係で月に1日でも議員の職にあれば、まるまる1カ月分の報酬が支払われるという状態でした。これを任期の日数分だけ支給する日割りに変えるよう公明党が訴え、実現させました。民間では当然のことです。
正木 公用車や出張旅費の削減、永年勤続議員の特別交通費や肖像画作製費などの“議員特権”の廃止にも、全力を尽くしてきました。“庶民感覚”を忘れてしまった時、政治は腐敗します。庶民の生活現場に足場を固めているからこそ、公明党議員は身を切る改革の先頭に立てるのです。
原田 議員は国民の代表です。その事実を忘れずに国民が納得する改革を断行してもらいたい。
   (聖教新聞 2012-10-22)