紙上座談会 対話が生命尊厳の社会を築く

2012年11月6日(火)更新:4
【師弟の大道を歩む 新しい力で時代を開け!(74) 広宣流布とは「人間文化」の創造 対話が生命尊厳の社会を築く 「命を守る」研究支える公明党
棚野 毎日新聞10月26日付に、同新聞社が実施した「読書世論調査」が紹介されていました。「自分の人生を変えたり、生き方に影響を与えた本や作品」を尋ねる項目で、池田先生の小説『人間革命』が第5位となっていました。
橋元 会員ではなくても『人間革命』や『新・人間革命』を愛読している方々が多くいます。
正木 そうです。悩みで行き詰まった方は苦難に立ち向かう指針を、経営者など責任ある立場の方は指導者の哲学を、先生の書籍から学んでいます。
原田 多くの人々が世界平和と人類の幸福の方途を“池田哲学”に求めている時代です。会員ではない方が、そうして先生の著書を愛読し、生きる糧としている様子を伺えば伺うほど、私たち池田門下の一人一人はどれほど恵まれているか、師匠とはどれほどありがたい存在か、と感じずにはいられません。
杉本 今月中旬には、『新・人間革命』第24巻が発売される予定です。「母の詩」「厳護」「人間教育」「灯台」の各章が収録されます。しっかりと研鑽していきたいと思います。


〈人々の幸福のため〉
吉井 11月3日は「文化の日」。学会では「創価文化の日」でもあります。
正木 この秋も地域行事に音楽隊や鼓笛隊の皆さんが出演し、地域友好のために活躍してくださっています。本当にありがとうございます。
杉本 学会の会館には、「文化会館」という名前がたくさんあります。なぜ「文化」という名称なのか、池田先生は『新・人間革命』第11巻「躍進」の章で、こう綴られています。
 「『文化』という名を冠した会館の建設を推進してきたのは、広宣流布とは、人間文化の創造であると考えていたからである。宗教はなんのために存在するのか――。それは、人びとの幸福のためである。生きがいある人生のためである。そして、それを実現するには、人間尊重の社会を築き、さまざまな人間文化の花を、咲かせなくてはならない」と。
原田 信心根本に、それぞれの勝利と幸福の姿を現し、社会で光り輝いていく。縁する友人に仏法を語り、生命尊厳の哲学を広めていくなかで、共に広布の人生を歩んでいく――こうした日々の積み重ねが「人間文化の花」を咲かせゆく偉大な取り組みです。
正木 各地で同志が仏法を語り、信頼を広げていることが、いかに素晴らしいか。「物たね(種)と申すもの一なれども植えぬれば多くとなり」(御書971ページ)です。社会をよりよく変えゆく地道な対話を、誇り高く進めたい。


〈iPS開発を支援〉
棚野 文化・学術の分野でも公明党は、多彩な実績を積み重ねてきました。
吉井 学術分野でいえば先日、京都大学山中伸弥教授がノーベル医学・生理学賞を受賞することに決まりましたが、その陰にも公明党の支えがありました。
橋元 この受賞は、さまざまな細胞に変わるものとして再生医療での活用が期待されている人工多能性幹細胞(iPS細胞)を開発した業績がたたえられたものです。山中教授は2007年にヒトiPS細胞の作製に世界で初めて成功。その可能性の大きさから、各国がこぞって開発を進めようとしました。公明党が与党時代の2003年度から6年間、計3億円の予算で支援したのに続き、2008年度からは年45億円以上に支援額を増やしました。
棚野 2009年には補正予算で、最先端の研究を助成する基金として2700億円を計上しました。しかし政権交代後の民主党政権は、「事業仕分け」で科学技術予算を大幅に削減。この基金も1000億円に減らし、山中教授への支援も100億円規模から50億円に半減させようとしたのです。
吉井 多くの研究者、学術団体が政府に強く抗議していたのを思い出します。あるノーベル賞受賞者は「将来、歴史という法廷に立つ覚悟ができているのか」と非難していました。
棚野 山中教授は受賞決定後、国の支援への感謝を述べておられました。さらに公明党の会合に出席して、「私自身、研究時間を確保するため、約束していた講演等もほとんど断らせていただいている状況だが、きょうは何があってもここに来たいと思っていた」「自公政権で始めてもらった迅速な支援が今も続いており、研究がここまで続いている」と語られていました。
杉本 実は、公明党の女性委員会が推進してきた「さい帯血移植の保険適用」や「さい帯血バンクの設立」などは、山中教授の研究と深い関わりがあります。さい帯血をiPS細胞に転用することで、白血病だけでなく、脊髄損傷や心疾患などの治療に利用できる可能性が出てきているそうです。
橋元 公明党は今年9月、さい帯血の研究目的での利用・提供を可能とする「造血幹細胞移植推進法」の成立を主導しました。このことについても山中教授は「推進法の意義は大きい。成立に尽力した公明党に心から感謝したい」と述べておられます。
正木 心ある研究者の方々は、よく見てくださっています。
原田 公明党の真骨頂である「命を守る」ための政治を、ますます強力に進めてもらいたい。
   (聖教新聞 2012-11-01)