心は見えないが、人を動かし、社会を動かす大きな力である

2012年11月15日(木)更新:5
【名字の言】
 子どもの運動会で保護者対抗の綱引きに参加した。こうした行事でしか、めったに顔を合わせない父親が集まった“即席チーム”同士の試合。かつて池田名誉会長がスピーチで紹介した「リンゲルマン効果」を実感した▼綱を引く人数が増えるほど、一人の出す力が減っていく……。「社会的手抜き効果」とも言う。「自分がやらなくても誰かがやるだろう」という気分に流されないことが、自分の力も、チームの力も、十全に発揮するための鍵となる▼日本人として19人目となるノーベル賞の受賞が決まった、京都大学山中伸弥教授は語る。「一番になるつもりでやらない限り、二番にもなれません。オリンピックでも、金メダルを目指すからこそ、やっと銀メダルに手が届くこともあるでしょう。やはり金メダルを取るような準備が必要だと思います」(「潮」12月号)。最先端の科学研究をけん引する心意気が感じられよう▼人に頼る心を捨てて、「自分がやる」と決める。そして、どうせやるなら、「一番になるつもり」で取り組む。この心に立つ人が増えるとき、「万事を成す」ドラマが生まれる▼「一番になる」という熱情の有無を自身に問いたい。心は見えないが、人を動かし、社会を動かす大きな力である。(川)
   (聖教新聞 2012-11-08)