日蓮大聖人が諸御抄で示されている、「広」「略」「要」

2013年1月4日(金)更新:5
・『そうした現状を打開するために私がいるのだ!』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20150510


【新・人間革命 法旗二十六】
 山本伸一は、心躍らせながら、愛媛文化会館内での県最高協議会に出席した。彼は、県幹部育成のために、懸命に指導していった。
 「いかなる社会、団体もそうですが、特に広宣流布を目的とする私たちは、連絡・報告は速やかでなければなりません。
 学会の組織は、人びとを一生成仏へと導く使命をもち、私どもの一人ひとりへの対応が、幸・不幸を決定づけてしまう場合もある。ゆえに、何かあったら、直ちに指導、激励の手を差し伸べるためにも、速やかで正確な、連絡・報告を心がけていただきたい。
 連絡・報告が学会本部に、速やかに行われている方面や県は、本部との呼吸も合っているし、精神的な距離も近いといえます。
 異体同心、団結といっても、それは、この連絡・報告に表れることを知ってください」
 さらに伸一は、連絡・報告や指導等にも、日蓮大聖人が諸御抄で示されている、「広」「略」「要」があることを述べた。
 「詳細に、すべてを広く語ることは『広』です。それに対して、省けるところは省いて、簡単にまとめて語ることは『略』です。さらに要約して、最も肝心要となることを語るのが『要』です。
 連絡や報告も、多くを語っている時間がなければ、的確に『要』を取って語ることです。少し時間があれば、『略』でいいでしょう。また、物事の背景なども含めて、しっかりと全体像を伝え、意見を交換するような場合には、『広』が必要です。
 短時間の会合での指導は、なるべく簡潔に、『要』を得た話をすることです。長い時間を費やして、結局、何を言いたいのかわからないような話では、集って来た人に申し訳ないことになります」
 伸一は、幹部としての基本を、再度、明らかにすることに力を注いだ。基礎を徹して身につけることこそ、勝利の要件となる。
 「塔が高ければ高いほど、基礎は広くなければなりません」(注)とは、詩聖タゴールの鋭い洞察である。

■引用文献
注 「議長あいさつ」(『タゴール著作集8』所収)蛯原徳夫訳、第三文明社

   (聖教新聞 2013-01-04)