座談会 心通う対話で友情を広げよう

2013年2月10日(日)更新:6
【輝く創価の師弟城(7)「ジャズと仏法、そして人生を語る」が発刊】
棚野 池田先生がジャズミュージシャンのウェイン・ショーターさん、ハービー・ハンコックさんと語り合われた『ジャズと仏法、そして人生を語る』(毎日新聞社)が発刊されました。
杉本 聖教新聞で連載されていた、てい談「魂の人間讃歌――ジャズと人生と仏法を語る」を、加筆・再編集したものです。連載中から反響が大きく、単行本の発刊を心待ちにしていた方が、内外を問わずたくさんいらっしゃいます。
原田 音楽界の最高栄誉であるグラミー賞を、ハンコックさんは14度、ショーターさんは9度も受賞。それぞれピアニスト、サックス奏者として、世界に名を馳せている方々ですから、このてい談に対する注目は大変なものです。
橋元 連載に対し、ある男性は語っていました。
 「心躍る思いで読みました。60代後半ですが、ジャズは青春時代からの思い出がいっぱいで、今も聴いて楽しんでいます。人種差別と闘ってきたジャズの精神、珠玉の言葉に魂を揺さぶられました」
吉井 「“魂の響き合い”に精神性の高い哲学があると実感します。池田先生の前でお二人が演奏した本部幹部会の感動がよみがえりました。師匠にお応えしようとの真剣な姿勢から、勇気と希望を与えるジャズの魂が伝わってきます」と語る女性もいました。
正木 また、聖教新聞の切り抜きを音楽業界に携わる方に手渡しながら、学会理解の輪を大きく広げてきた芸術部の方もいます。

〈「自行化他」の実践〉
棚野 広布拡大を進める私たちにとって、前進の糧となる大切な指針がちりばめられています。てい談のなかで池田先生は、「不軽菩薩の人を敬いしは・いかなる事ぞ教主釈尊の出世の本懐は人の振舞にて候けるぞ」(御書1174ページ)との御文を引き、こう語っておられます。
 「人間それ自体が偉大であり、尊貴なのです。ゆえに飾ったり、繕ったりする必要はない。ありのままの人間として、自他共の生命を最大に光り輝かせていくために、仏法はあります。相手を尊敬し、誠実に対話していくことが、その一歩です。そこから触発が生まれ、信頼が深まり、躍進の力が広がる」と。
吉井 対話という点で、ショーターさんは、こう述べています。
 「作曲していると、一音一音が『人格』を備えているように感じます。組み合わさることで、すべての音が動き出し、変化し、成長していくのです。そこでは、どの音も、他の音調なしには完全な音にはなれません。これは、SGI(創価学会インタナショナル)の会合や活動にも当てはまるのではないかと思います。そこでは、個性を持ったあらゆる人たちが、同じ人間として対話し、自分の考えを述べ合い、研鑽するので、自分自身を磨き、成長できる可能性が一段と高まるのです」
橋元 ハンコックさんも語っています。
 「仏法では『自行化他』と説きますが、私たちは自分のために実践するとともに、他者のためにも実践すべきです。わが人生をその価値ある日々の積み重ねとして見るならば、ジャズも、すべての側面において、『自分のためと同時に他者のための実践』であり、そういう観点から見ていくように心がけています。その意味において、『即興性』や『対話性』といったジャズの特性は、熟視すべき重要な資質であると思うのです」と。
杉本 味わい深い言葉ですね。芸術と仏法が深い次元で響き合うことを、心から実感するてい談です。
原田 本当にそうですね。音の調和が美しいメロディーをつくるように、私たちも心通い合う対話を通して麗しい友情を築いていきたいと思います。

《就職活動で奮闘する友に声援!》
〈題目が勇気と力に〉
吉井 今月、中等部・高等部では未来部大会を開きます。中学・高校生向け機関紙「未来ジャーナル」に連載中の池田先生の「未来対話」を学ぶ企画等を通して、勉強やクラブなど自身の夢・目標へ向かって決意しゆく集いとなります。
杉本 学年末を迎え、さまざまな変化の時です。子どもたちの心が揺れ動く時期でもありますので、温かく包み込むように激励していきたいと思います。
橋元 大学3年生ら来年の春に社会人となる人たちにとっては、就職活動がいよいよ本格化します。
正木 いまだ雇用情勢が厳しく、就職活動に挑む皆さんには大変な状況です。就職は人生における一つの大きな山場ですので、信心根本に使命の職場を勝ち取ってほしいですね。
棚野 池田先生はかつて、大科学者のアインシュタインが就職で苦労したことに触れて、こう語られました。
 「苦労知らずで偉くなった青年は不幸だ。真の人生の深さがわからないからだ。苦しみ抜いてこそ、本物が育つ。ゆえに、思うようにいかない時も、くさってはならない。上手くいかない時も、自分らしくベストを尽くしていけば、必ず、そこから次の道が開かれる」「誰かに愚痴をこぼしても、何も生まれない。題目を唱えて御本尊に悩みを訴えれば、勇気と力が湧いてくる。智慧が光る。諸天善神が厳然と現れる」
原田 未来部員、学生部員は、壮年・婦人部、男女青年部にとって、有縁の同志、宝の部員です。少子化だからこそ、一人一人を大切に励ましていきたい。
   (聖教新聞 2013-02-04)