社説 「生きる力」届ける紙面を誓う

2013年2月12日(火)更新:7
【社説】
 都内の中学校に通う女子生徒から聞いた話である。
 小学生の時、感動した記事を互いに紹介し合うホームルームの場で、彼女は聖教新聞の記事を取り上げた。

〈永遠に世界の庶民の味方〉
 障がいのある男性が主人公。“なぜ自分だけがこんな目に”と運命を呪った日もある。だが、どんな時も見放さず、励ましてくれる仲間たち。そうした絆に支えられ、やがて自分にしかない使命を見いだし、人生を強く歩んでいく――。
 記事を読み終えた感動を、彼女は一生懸命に語った。“もし同じ立場なら”と胸が痛んだこと、“私も悩みに負けない人になりたい”と決意したこと……。
 同級生も真剣に耳を傾け、担任の先生は、思いやりの心を教えるいい内容だ、と褒めてくれた。本当にうれしかった、と彼女は振り返る。
 「永遠に世界の庶民の味方たれ」とは池田名誉会長が示した本紙の基本理念。ここに、本紙が発信する「希望」と「勇気」と「活力」の源泉がある。
 ニュース記事、解説記事などに加え、人間そのものに光を当てた記事が多いことは、聖教新聞の特色の一つといっていいだろう。
 信仰体験しかり。「ターニングポイント」しかり。「東北福光新聞」と題されたページに触れ、悲しみのなか歯を食いしばって復興へと歩む友の姿に、奮い立った読者も多いはずだ。
 進行性筋ジストロフィーを患いながらも、励ましの人生を歩む兄弟がいる(1月20日付)。兄は生命の花を描くパソコン画家。弟は希望の歌を紡ぐ五行歌人。弟が東日本大震災の後に詠んだのは、このような詩だった。
 「どんな引用もいらなかった/手を握り続けてくれただけだった/涙を流させてくれただけだった/それだけだったが/朽ちかけた倒木に、緑が動いた」
 自由を奪われても、人間として声を上げる。
 「泥の中から/蓮は 花咲く/そして/宿業の中から/僕は 花咲く」
 そこに確かな幸せのカタチがあった。

〈人類が進む道照らす哲学〉
 聖教新聞を開けば、人生をひたむきに生き抜く民衆の輝く姿がある。人類の進むべき道を照らす希望の哲学がある。
 本紙を支え、購読推進に尽力してくださる全ての方々に心から感謝し、これからも「生きる力」を届ける紙面を全力で制作していく。
   (聖教新聞 2013-02-06)