教育は「生命の創造力」を開く挑戦

2013年2月23日(土)更新:6
・『「新しい建設」へ「新しい人材」を!』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20160114


【SGI会長の謝辞(代読)】
《ブラジル独立の英雄・ティラデンテスの願い 「庶民の顔(かんばせ)に幸福を見たい」 君よ 人間の尊厳を守るために学べ》
●この無上の栄誉を、私は、貴国の模範の良き市民と光る、わが敬愛する友人たちと一緒に拝受させていただきたいのであります。
●私が深く感銘する貴大学の足跡は、人間の尊厳、人間の権利、人間の多様性の尊重を掲げられ、あらゆる偏見と差別の追放に邁進してこられたことであります。
●困難な試練の時代にも、英知と正義の牙城として、毅然と民主主義と人権を守り抜いてこられたことは、何と誉れ高き歴史でありましょうか。

アタイデ総裁の人権擁護の叫び〉
ブラジル文学アカデミーアタイデ総裁が、私に語っておられた言葉が蘇ってまいります。
 「人間の内に“聖なるもの”を見る視座がなければ、人間の尊厳という思想の根はできない」と。
 人間の生命には、厳然と「聖なるもの」が具わっています。本来、生き生きとした「偉大な創造力」が脈打っています。それぞれに「限りない豊かさ」が広がっています。
 この尊厳なる生命の真価を、一人一人の青年が自覚し、発揮していく。
 ここに「教育」の崇高なる挑戦があるといえないでしょうか。
●「人間の尊厳」「生命の尊厳」を目指しゆく教育は、自分さえよければいいという利己的な風潮に対する決然たる戦いでもありましょう。
 歯科医としても民衆に尽くした、あのブラジル独立の大英雄ティラデンテスが、「ただ庶民の顔(かんばせ)に幸福と喜びを見たい」との願いに生き抜き、戦い抜いたことを、私は思い起こす一人であります。
●私が創立した創価大学でも、本年4月から看護学部が新たに開設されます。
 「人々の幸福な笑顔のため」――この目的観に立って、大いなる夢を描き、学び、力をつけ、民衆に奉仕していく。この「人間教育」の究極のロマンを、貴大学の皆さんと笑みを交わし合いながら、さらに広げていきたいと思うのであります。

〈「希望の大国」に全世界が注目!〉
●ある調査では、貴国の1次エネルギー供給量の半分近くは、バイオエネルギーなどの再生可能エネルギーで占められていると伺っています。英知を結集しながら、環境と調和した持続可能な再生エネルギーの供給サイクルが貴国で確立すれば、地球環境問題を解決しゆく一つのモデルケースとなるのではないでしょうか。
 貴大学が最先端を示されているように、学術・研究機関と地域産業が密接に連携を取り、技術的にイノベーション(刷新)を引き起こしていくことも、人類を照らす光であります。

《全ての民族と連帯を!毎日、ベストを尽くせ(思想家フレイレ)》
●貴国の教育思想家フレイレは、「新しい人材」の特質を明快に論じました。
 第1に、“民衆のため”“民衆の利益を守るため”に働くことであります。
 第2に、いかなる仕事を任されても、義務を果たす「責任感」であります。
 第3に、全ての民族との「連帯感」であります。
 第4に、きょう成し遂げるべきことを明日に延ばさない。毎日、ベストを尽くすことであります。
 第5に、社会の建設に積極的に参加することであります。
 第6に、“歩みを止めてはならない”“刷新しなければ「新しいもの」は直ちに「古きもの」に変わってしまう”という確信であります。
 私も、きょうより、栄(は)えある貴大学の一員として、この「新しい人材」の勝利の笑顔の道を、力の限り開き続けていくことを、お約束申し上げます。
   (聖教新聞 2013-02-22)