草創の功労者が、戦い続けている組織は強い

2013年4月16日(火)更新:4
・『これが私たちの法城です!』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20160808


【新・人間革命 勇将 五十三】
 一月二十五日の夕刻、明日香文化会館一階の大広間には、奈良県各地から代表幹部が集って来た。真冬であるが、場内は熱気にあふれていた。
 会場後ろのドアが開いた。
 「皆さん、こんばんは!」
 山本伸一が姿を現すと、会場を揺るがさんばかりの大拍手が轟いた。
 伸一は真ん中の通路を通り、参加者に、「ご苦労様!」「久しぶりだね」と声をかけながら前方に進んだ。
 司会の声が響いた。
 「ただ今より、奈良支部結成十七周年記念幹部会を開会いたします!」
 伸一の導師で勤行が始まった。真剣に祈りを捧げた彼は、振り向くと皆に言った。
 「楽しくやろうよ。家族の集まりだもの」
 この言葉で、参加者の緊張がほぐれた。
 県長の沖本徳光があいさつに立った。就任五カ月の、三十五歳の県長である。
 「本日は、広布第二章の初代支部長・婦人部長の任命式を兼ねた幹部会であります。
 奈良支部結成十七周年の佳き日に、わが県は、新たに九十七支部で広布第二章の出陣ができることは最大の喜びであります。今日よりは支部長を中心に各部一体となって、日本における仏教淵源の地となったわが郷土・奈良を、世界一の仏国土につくり上げてまいろうではありませんか!
 私は、若いだけでなんの取り柄もありませんが、奈良の会員一人ひとりのために、祈りに祈り、動きに動き、この身を生涯、皆さんの幸せのために捧げてまいります」
 すがすがしい決意であった。
 奈良支部の誕生は、一九六一年(昭和三十六年)三月のことであった。支部長・婦人部長は、有田幸二郎・信子夫妻である。
 二人は、この日、県指導委員、県指導長として元気な姿で、満面に笑みを浮かべていた。
 草創の功労者が、戦い続けている組織は強い。そこには、学会魂の継承があり、それが信心の堅固な土台となっていくからである。
   (聖教新聞 2013-04-16)