人に接する時は暖かい春の心

2013年4月19日(金)更新:4
【名字の言】
 新年度の春。新出発する友との、さまざまな出会いがあった▼座談会では、女子部員が新しい職場に車で出勤した時の様子を語ってくれた。着く直前という所で車が故障。見かけた同僚が駆けつけ、車を押してくれ、無事に出社できたという。思いもよらないスタートだったろうが、これからの頑張りが、良い思い出に変えてくれるはず▼大学入学の目前に会った女子学生部員。ふと歌を口ずさみ、顔を曇らせた。歌は「一年生になったら」。母親に話を伺うと、以前、いじめを経験していたという。新しい環境で、何人の友達ができるだろう――。その不安の大きさを受け止めたいと思った▼大震災の被災地からは、小・中学校の入学式の日にメールが届いた。「おかげさまで次男が小学校に入学しました」と。本紙を読む友人だ。津波で家を失い、家族6人で、みなし仮設住宅に住む。もと住む地域の小学校に通うため、朝早い送迎バスに乗り、眠い目をこすって通学していると追伸があった。大人にも子どもにも、被災地ゆえの苦労がある▼座談会場に掲げられていた言葉が目に留まった。「人に接する時は暖かい春の心」。新しい道に進んだ友の挑戦は、始まったばかり。春のような温かい励ましを忘れまい。(搭)
   (聖教新聞 2013-04-18)