きっと、この病を治してみせる。その時、誰もが仏法の力に驚くだろう

2013年4月21日(日)更新:5
・『必ず信心で乗り越えてみせます。皆さん今の様子を見ておいてください』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20160915


【新・人間革命 勇将 五十七】
 有田幸二郎は、座談会場で横たわり、妻の信子の話を聞いていた。
 “本来ならば、班長として、自分が先頭に立って訴えなければならないのだ”と思うと、不甲斐なかった。歯ぎしりする思いであった。彼は、深く心に誓った。
 “きっと、この病を治し、長生きしてみせる。その時、誰もが仏法の力に驚くだろう。それが、私の折伏だ!”
 信子は、座談会に集った友人たちに、力強く語っていった。
 「仏法では、病がある人は仏になれると説いているんです。日蓮大聖人が『病によりて道心はをこり候なり』(御書一四八〇ページ)と仰せのように、病を契機として、真剣に信心に励もうとするからです。
 病気に限らず、経済苦や家庭不和など、すべてを乗り越えて、幸せになれると約束しているのが、大聖人の仏法なんです。
 皆さんも、一緒に信心をしましょうよ!」
 彼女の、率直な、ありのままの訴えは、参加者の胸に強く響いた。結局、二十四、五人の友人のうち、五、六人が入会の決意を固めたのである。
 有田夫妻は、弘教に行き詰まると、大阪の関西本部まで行き、幹部に指導を受けた。信心は、我見で推し量るのではなく、どこまでも真っすぐに、純粋に貫こうと、決意していたのだ。
 入会翌年の一九五六年(昭和三十一年)一月から、大阪で会長・戸田城聖の「方便品・寿量品」講義や御書講義、指導会などが開催されるようになると、二人は、喜び勇んで大阪に通った。さらに、青年部の室長である山本伸一が指揮を執った“大阪の戦い”の時には、定期券を購入して、毎日のように関西本部を訪れた。いつか、幸二郎の神経痛も起こらなくなっていた。
 求道の人には、歓喜がある。歓喜ある人には、苦悩を克服する勢いがある。
 五六年(同)八月、奈良地区が誕生した。地区部長、地区担当員は、有田夫妻であった。
   (聖教新聞 2013-04-20)