きょう「アースデー」 持続可能な社会の構築へ行動

2013年4月25日(木)更新:7
【社説】
 「正直これで充分明るいじゃん? と思う。(以)前が明る過ぎたというか」。東日本大震災発生直後の2011年3月31日、歌手の宇多田ヒカルさんが、節電で照明の量を減らした東京の街並みを見て、「ツイッター」でつぶやいた率直な一言だ。多くの共感を呼んだ。
 あれから2年。蛍光灯の間引きやエアコンの温度設定の調節など、各企業や団体、家庭が節電を工夫。これまでのライフスタイルが、いかに多くの電力を消費していたかが実感できよう。

〈自分にできることを実践〉
 政府は9日、今夏の節電について具体的な数値目標を設定しない方向で検討に入った。沖縄電力を除く電力9社が政府に報告した需給見通しで、8月の供給余力を示す予備率が全国で6・3%となり、安定供給に必要な3%以上を確保できる見込みとなったからだ。
 地域の電力使用率は政府の節電ポータルサイトでリアルタイムに分かる。また家庭の節電メニューも掲載されている。不要な照明を消して4〜6%、テレビの画面の輝度を省エネモードに下げて2〜3%ほど電力を削減できる、などだ。
 一方、気候変動に関する政府間パネルIPCC)は2030年までに大幅なCO2削減がなければ、深刻な地球環境悪化を防ぐために、大気中のCO2を人工的に除去しなければならなくなるとの報告書素案をまとめた。電力事情以上に地球環境を念頭に置いたCO2削減に取り組む必要がある。その意味で、節水やごみ削減、緑化運動など自分にできることを見つけ、行動へと移すことだ。「これくらいやれば」から「ここまでやった」という積極的な姿勢で臨み、美しく住みよい地球を未来に残していきたい。

〈前進を積み重ねて「誓い」に〉
 池田名誉会長は述べている。「地域を舞台にしたエンパワーメントで人々の勇気と智慧を涌現させていく中で、状況の改善のために自ら立ち上がること(リーダーシップの発揮)を促す。そして、皆で力を合わせて“小さな前進”を一つ一つ積み重ねながら、その生き方を自分たちの『誓い』や『使命』として踏み固めていくことが、持続可能性を追求する裾野を地球大に広げていく基盤になる」(牧口初代会長生誕141周年 記念提言)
 きょう22日は「アースデー」。地球に住む全ての人々が、身近な環境問題について考える日である。大量消費社会から持続可能な社会の構築へ、地道な歩みをさらに推し進めていきたい。
   (聖教新聞 2013-04-22)