心の温もりのなかで、信心の滋養を吸収し、人材は育っていく

2013年4月28日(日)更新:5
・『難に立ち向かい、挑み、戦う覚悟を私たちは絶対に忘れてはなりません』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20161017


【新・人間革命 勇将 六十】
 子どものいない有田幸二郎・信子夫妻は、男女青年部員や支部の子どもたちを、わが子と思って接してきた。
 有田の家は、支部のさまざまな活動の拠点になっていた。彼らは、青年たちに言うのであった。
 「ここを、わが家だと思って、自由に使いなさい」
 また、苦学生をはじめ、青年たちがきちんと食事をしているかどうかも気遣った。青年たちも、有田夫妻を父や母のように慕った。
 夫妻のもとで活動に励んだ青年たちのなかから、後年、副会長ら幹部をはじめ、学術界など、社会の各分野で活躍する多くの人材が誕生している。奈良県長の沖本徳光も、その一人である。
 人を育むものは、人の絆である。先輩幹部の一人ひとりへの真心、思いやりが発する、心の温もりのなかで、信心の滋養を吸収し、人材は育っていくのである。

 奈良支部結成十七周年の記念幹部会で、花束を受けた有田夫妻に、山本伸一は言った。
 「これからも、後輩の模範、希望であり続けてください。また、広宣流布に懸けた精神を伝え残していってください」
 目を輝かせて、大きく頷く、夫妻の姿が凜々しかった。
 幹部会は、新支部長への支部証の授与等のあと、支部婦人部長代表の抱負となった。
 登壇したのは、奈良県北東部の宇陀郡榛原町を活動の舞台とする、榛原支部の婦人部長・丸沢邦代であった。若々しい、明るい女性である。彼女は、高い声で、ゆったりとした口調で話し始めた。
 「私たち榛原支部の地域は、標高八百メートル級の山々がそびえる山里です。縄文時代の遺跡や、古墳も多い、由緒ある土地柄です。山々に囲まれ、一山越えてはあの大ブロックへ、また、一山越えてはこの大ブロックへと、支部員さんの各家々を回るには、何日もかかるほど広大な地域です」
   (聖教新聞 2013-04-24)