豊かな出会いを刻む黄金週間(ゴールデンウィーク)

2013年4月28日(日)更新:6
【社説】
 今週末からゴールデンウイーク(黄金週間)が始まる。桜前線がついに、北海道にも到達するという。列島中に生命の息吹がみなぎる季節がやって来た。この期間は、疎遠になりがちな知人や親類と、旧交を温める絶好の機会。また就職や転勤など、身辺の変化が一段落する時期でもある。友の近況に耳を傾け、絆を強めるのも有意義な過ごし方だろう。
 「朋(とも)有り遠方より来(きた)る、亦楽しからずや」(孔子)、「大きな楽しみは、古くからの確かな友情を続けることのみならず、新しい友情を開拓して築き上げることからも得られる」(セネカ、高橋宏幸訳)。友をもつ人は、自分が豊かになる。顔を合わせれば、安心感がよみがえる。

〈つながった心の数こそ宝〉
 友との語らいは、悲しみを半分に、喜びを倍にしてくれる。つながった心と心の数だけ、人生の宝が育まれていく。
 「鏡に向かって礼拝するとき、そこに映る影(姿)がまた私を礼拝する」(御書769ページ、通解)。人を掛け替えのない存在として大事にすれば、自らの尊厳性も輝く。人を敬い、人に尽くす中に、生きる喜びが湧き上がる。人と人が相まみえたときに生ずる、生命触発の“火花”こそ、出会いと交流の醍醐味だろう。
 日蓮大聖人の御生涯は、正義と勇気の対話旅であった。「日本国を日蓮経行(きょうぎょう)して南無妙法蓮華経と弘通する事・又又此(かく)の如くなり」(同816ページ)――大聖人ご自身が「経行」すなわち歩きに歩き、「かしこへ・おしかけ・ここへ・おしよせ」(同502ページ)、胸襟を開いた語らいで、広宣流布を推し進められた。
 現代にあって、日本と世界に信頼を広げ、仏縁を結んできたのが創価の友である。皆の幸福を祈り、社会の繁栄を願う歩みは、歓喜と功徳の薫風に包まれる。

〈目を開けば たくさんの友が〉
 池田名誉会長は、つづっている。「友情は人間の証であり、その人間をつくるのが仏法である。ゆえに、われらが人生には、つねに友情の果実を実らせ、楽しく価値ある対話の花を咲かせゆくことが大事ではなかろうか」(『池田大作全集』第129巻「随筆 新・人間革命 1」〈「友情の拡大」に広布あり!〉)
 年賀状のやりとりだけの友、かつて、よしみを結んだ同級生や仲間……目を開けば、久しく会っていない友が、たくさんいるものだ。ほんのわずか、心の扉を開けば、新たなドラマが待っていよう。「こんなに多くの友と会えた!」と有意義な思い出を刻む黄金週間を送りたい。
   (聖教新聞 2013-04-24)