人類の母なる大地 アフリカに学べ

2013年4月30日(火)更新:4
・『持続可能な開発、人権と非暴力、対話の力で連帯を促進――推挙の辞』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20161103


〈発展する経済都市ダーバン市、歴史薫るピーターマリッツバーグ市〉
●駅につながるチャーチ通りに入ると、それはすぐに見つかった。ドーティを巻いた姿のガンジー像である。 
 1893年、弁護士としてインドからやってきたガンジー。列車でダーバンからプレトリアに向かう途中で“事件”は起きた。
 ピーターマリッツバーグの駅に着いた時、乗務員が、不当にも、1等車から有色人種用の車両へ移るよう迫ってきたのだ。
 正規の切符を持っていたガンジーは拒否。だが、駆けつけた巡査は彼を列車から押し出し、荷物を放り投げた。

《街を見守るガンジー像「私の人生が私のメッセージ」》
●季節は冬。ガンジーは、暗く冷え切った駅の待合室で、震えながら一夜を明かした。権利のために戦うべきか。それとも侮辱に甘んじ、インドに帰るべきか――考え抜いた末に結論する。
 「わたしが責務をはたさずに、インドに逃げ帰ったら、それこそ卑怯というものである」。人種差別という「根深い病気」を根絶やしにするために戦おう、と(『ガンジー自伝』中央公論社刊)
 「私の非暴力運動はその時から始まった」
 「私の人生そのものが、私のメッセージだ」
 にわかに雲の切れ間から太陽の光が差し、ガンジー像を照らした。行き交う人々も、この像をあえて見上げることはない。だが、非暴力の闘志への敬愛の心は、今も静かに受け継がれていると感じた。


【ムツーラ教授の推挙の辞】
《教育を興隆し青年を育成
 民衆の幸福と平和を目指す》
 池田大作氏は、50年以上にわたり世界平和の文化を構築することを目指し、教育、平和、そして文化を含む、多岐にわたる分野において、国際的なご貢献を続けてこられました。
 氏の卓越した手法の特徴は、熱心な対話です。教育、核廃絶、持続可能な発展、人権等の問題の解決に向け、連帯していくことを目指し、池田氏は、ネルソン・マンデラローザ・パークスワンガリ・マータイラジブ・ガンジーバツラフ・ハベル、ジョン・ガルブレイス等の著名な活動家や個人との対話を続けてこられました。
 池田氏は、日本の貧しい家庭に育ち、高等教育を受ける機会も限られていました。現在、氏は、世界的に認められる創価教育システムの創立者です。この教育は、各個人に内在する無限の可能性への確信を基本理念としています。
 また、さまざまな言語での出版活動に従事し、国際的な平和研究と文化交流の促進を目指した諸研究所を設立しております。
 仏法者として、1960年、32歳の時に、在家の仏教運動を展開する創価学会の会長に就任されました。この運動には、192カ国・地域に1200万人に及ぶ会員がおり、世界的なネットワークを築いております。
 さらに池田氏は、会員が、個々人の内面における変革(人間革命)と社会貢献の実践に取り組めるよう励ましを送っております。
 創立した教育機関は、世界6カ国・地域に建設された幼稚園、日本の小学校から大学院までの一貫教育の学校、そしてアメリカに設立された教養大学を含んでおります。
 なお、このアメリカの大学は、アメリカの時事解説誌である「USニューズ・アンド・ワールド・リポート」が2012年に発表したベスト大学ランキングにおいて、全米のリベラルアーツ(一般教養)大学の中で、上位100校に選ばれました。
 池田氏は、アフリカン・ルネサンスの必要性を理解し、1960年代から、“アフリカは21世紀の大陸である”と訴えております。そして、歴史的に最も苦しみ抜いた人こそが最も幸福になる権利があるとの理念を掲げてこられました。
 池田氏は、人権、非暴力、環境倫理、女性のリーダーシップ並びに経済的正義に関する対話を推進することを目指し、1993年にボストン21世紀センター(後に「池田国際対話センター」と改名)を設立されました。
 池田氏の幅広い分野におけるご功績に対し、世界の300以上の諸機関から名誉学術称号が授与され、さらに700以上の市・州並びに地方自治体から名誉市民称号やさまざまな顕彰が贈られております。2002年には、ナタール大学のネルソン・マンデラ医学院から「人権・平和賞」を受賞されました。
 池田氏の貢献と活動は、特定の信仰という限られた視野を超え、学校教育並びに社会における教育と青年への励ましにより、世界平和と個人のエンパワーメント(内発的な力の開花)の基盤強化を目指しています。
 クワズール・ナタール大学は、教育、平和、対話の推進の分野における池田氏の傑出したご功績を讃え、本学における最高栄誉である「名誉社会科学博士号」を授与いたします(大拍手)。
   (聖教新聞 2013-04-25)