これが学会の強さであり、草創の精神だ

2013年4月30日(火)更新:5
・『心の温もりのなかで、信心の滋養を吸収し、人材は育っていく』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20161026

【新・人間革命 勇将 六十一】
 丸沢邦代は生き生きとした表情で語った。
 「私は、山紫水明(さんしすいめい)のこの山里が大好きです。わが地域に功徳の花が爛漫と咲き薫るよう、はつらつと単車に乗って駆け巡っています」
 山本伸一は、拍手を送りながら言った。
 「交通事故を起こさないようにね」
 彼女は、チラリと伸一に視線を向け、元気な声で、「はい!」と応え、言葉をついだ。
 「私は、十年前に入会し、その直後から、『聖教新聞』の配達も続けております。現在は、三十軒ほどのお宅に配らせていただいておりますが、雪が凍りつく冬の朝は、単車にも、自転車にも乗れません。凍った道を徒歩で配ると、二時間以上もかかります。
 しかし、こうして同志のため、地域の友のために、“広布のお手紙”を運べることが、私の最高の誇りです。一歩一歩の歩みが、すべて福運となり、無量の生命の財産になっていると、強く確信しております」
 「すごいね。ありがとう!」
 すぐに、伸一の声が響いた。
 彼女はにこやかに一礼し、話を続けた。
 「榛原には、草創期の支部婦人部長として活躍された、私が心から尊敬する木谷節さんという先輩がおられます。みんなから、“宇陀のかあちゃん”と呼ばれて慕われている方です。
 その木谷さんが、さりげなくおっしゃった言葉に、胸を打たれました。
 『私は、組織のなかで、支部員の皆さんに何かあったら、何をさておいても、その人のところへ飛んで行って、一緒に悩み、唱題して、すべて信心で解決してきたんですよ。そうすることで、その人も成長し、結果的に支部も強くなりました。ともかく、無我夢中で一人ひとりを守り、戦ってきたんです』
 この話を聞いて、“これが学会の強さであり、草創の精神だ”と思いました。
 私も及ばずながら、この精神で、粘り強く励ましを続け、皆に慕われ、頼りにされる、太陽のように明るく、朗らかな、支部婦人部長になりたいと決意しております」
   (聖教新聞 2013-04-25)