もうだめだという難所を乗り越えた経験こそ宝だ。苦労しろ、苦労しろ

2013年5月15日(水)更新:5
【名字の言】
 「キボウラジオ」を家族で聴いた。池田名誉会長の『希望対話』を基にした番組だ。テーマは「コンプレックスは誰にでもある」▼一寸法師の話が出た。姫を守ろうと戦い、鬼に食べられてしまう一寸法師。だが、鬼の腹の中でも諦めず、針の刀で突き続けると、鬼は悲鳴を上げて逃げ出した。残ったのは、何でも願いがかなう「打ち出の小づち」。一寸法師は、劣等感に苦しみ、自分のことをちっぽけな存在と思っている人。鬼はそんな自分にのしかかる現実。打ち出の小づちは、劣等感に打ち勝った強い心だという▼コンプレックスも生きる力にすればいい。悩んだ分だけ、心のヒダは深くなる。「人の心が分かる」人間になれる――名誉会長の励ましが心に染みる▼立ちはだかる試練のない人生などない。「もしおれが、これでいいという気になって安楽椅子に寝そべったら、おれは即座にほろびるがいい」(手塚富雄訳)とはゲーテの言。挑戦に応戦しなければ、停滞と後悔が待つだけだ。草創の先輩が語っていた。「もうだめだという難所を乗り越えた経験こそ宝だ。苦労しろ、苦労しろ」と▼絶体絶命と思える時こそネバー・ギブアップ! 諦めない応戦の日々が、後から見れば、最高の思い出になる。(会)
(聖教新聞 2013-05-14)